UBSによるクレディ・スイス(CS)の救済買収に伴いスイス連邦政府がAT1債を無価値化した決定を巡り、近く日本の投資家が国際機関に対しスイス政府との仲裁申し立てを行うことが分かった。
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ドイツ語圏日刊紙NZZ日曜版が報じた外部リンク。
NZZによると、増田パートナーズ法律事務所は日本のAT1債券保有者に対し、国際仲裁手続への参加を呼びかけている外部リンク。同事務所はシンガポールのデゥリュー・アンド・ネピア法律事務所と連携し、投資家保護を盛り込んだスイスと日本の経済連携協定(EPA)違反に基づき仲裁申し立てを行う予定。
日本とスイスは2009年にEPAを発効した。こうした国際協定は、相手国の個人や企業が行った投資を保護することをお互いに約束している。NZZによると、投資先の国が協定の義務に違反した場合、投資家は国際仲裁に直接訴えることができる。
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AT1債を無価値とした問題を巡っては、すでに多数の投資家が訴訟を起こしている。NZZによると、スイスと投資関連協定を締結している国のAT1債保有者の多くは、スイス政府に対し仲裁を申し立てている。また、スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)を相手に手続きを進めているケースもあるという。
スイス政府は3月、32億5千万ドル(約4200億円)でUBSがCSを買収する取引をまとめ、緊急事態条項を発動して約160億フラン相当のAT1債券を無価値化。投資家から不満が噴出していた。
英語からの翻訳:大野瑠衣子
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