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バーゼルワールド、スウォッチ撤退も開催準備は順調

バーゼル・ワールドのオメガブース
オメガなどスウォッチ・グループ傘下の時計ブランドは、2019年から時計・宝飾品見本市「バーゼル・ワールド」に出展しない © KEYSTONE / GEORGIOS KEFALAS

世界最大の腕時計・宝飾品見本市「バーゼル・ワールド」の主催者によると、2019年の開催に向け前年よりも速いペースで出展者登録が進んでいる。スウォッチ・グループの撤退で開催が危ぶまれていた。

 バーゼル・ワールドの新常務執行役員、ミヒェル・ロリス・メリコフ氏は、2019、20年ともに見本市が実施されることを確認した。来年3月21~26日に予定される19年の見本市で、新しい事業戦略を発表する。

 スウォッチ・グループは7月末、傘下の18ブランド全てを19年以降の見本市に出展しない意思を表明。最大の出展者を失い、イベントが開催できなくなる可能性が浮上した。

 スウォッチ・グループのニック・ハイエク最高経営責任者(CEO)は、撤退を決めたのは「伝統的な時計見本市はもはやスウォッチにとっては意味がない」ためだと語った。ブレゲやオメガ、ハリー・ウィンストン、ロンジン、ラドなどの高級時計ブランドを傘下に抱える。

厳しい時代

ロリス・メリコフ氏は業界紙ウォッチ・アラウンドに掲載されたインタビューで、スウォッチ・グループの撤退で発生する損失額を明らかにしなかった。「スウォッチ・グループは見本市に5千万フランを投じているかもしれないが、見本市にそれが丸ごと見本市の収入になるわけではない」と述べた。

 見本市を運営するMCH社は8月初め、CEOルネ・カム氏が辞任すると発表した。「事業運営を根本的に転換すべき時期に来ている」ためだという。ウルリッヒ・フィッシャー取締役会長が当面カム氏の代役を務める。

 スウォッチ・グループの撤退は、すでに多くの出展者が出展を止めていたバーゼル・ワールドに大きな打撃を与えた。2018年の出展者数は650社と前年から約半減。17年度決算は1億フランの損失を計上した。

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