スイスループが考案した新型ポッド「ムジンガ」
Keystone
スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)などの学生チームは今年7月、米国で開かれる起業家イーロン・マスク氏の未来型超高速交通システム構想「ハイパーループ」のコンペ外部リンクに出場する。日本からは慶応義塾大学の「慶応ALPHA」チームが出場する。
このコンテンツが公開されたのは、
「ハイパーループ」はマスク氏が立ち上げた次世代の交通システム構想で、真空チューブ内をポッドと呼ばれる浮上式の車両を超高速で走らせ、人や荷物を運ぶ仕組み。輸送時間が大幅に短縮されるのが特徴だ。
コンペはマスク氏がCEOを務める宇宙事業会社スペースXが昨年から開催。世界中の大学生によるチームがそれぞれ考案した「最速のポッド」を競わせる。今年は20チームが出場する予定だ。
ETHZなどによるスイスの学生団体「スイスループ外部リンク」は、新型ポッド「Mujinga(ムジンガ)」を引っさげてコンぺに臨む。名前はスイス女子陸上のムジンガ・カンブンジ選手外部リンクから取ったという。
スイスループがコンペに出場するのは今年が2回目。ETHZは声明で「今年の輸送ポッドは四つの電子モーターを動力源とし、540馬力以上を出せる」と述べた。
コンペは7月22日、米カリフォルニア州ホーソンのスペースX本社試験場で開かれる。大会前に1週間、テスト走行を行う。22日の本番では全長1.25キロメートルの真空チューブ内でポッドを走らせ、最高速度を出したチームが優勝する。
昨年は、最高時速323キロメートルを記録したドイツ・ミュンヘンのチームが優勝した。ETHZのポッドは時速400キロが想定された場面で40キロしか出せなかったものの、3位に食い込んだ。
スイスループの技術責任者でETHZの学生イリヤス・ベスラーさんは「今年は多くのことを学んだ。昨年と違い、全てのシステムを事前にテストできた」と自信を込める。また「大会は楽しみだが、私たちの目指すゴールはもっとずっと先にある」と語った。
おすすめの記事
スイス、PFASの規制強化を検討
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は「永遠の化学物質」の異名を持つ有機フッ素化合物(PFAS)の規制強化に着手した。飲み水の上限値は来年から引き下げられる。
もっと読む スイス、PFASの規制強化を検討
おすすめの記事
ローザンヌ国際バレエコンクール 韓国高校生男子が優勝、安海さんが3位
このコンテンツが公開されたのは、
ローザンヌ国際バレエコンクールの最終選考が8日に行われ、韓国のパク・ユンジェさんが優勝。群馬出身の安海真之介さんが3位で入賞した。
もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール 韓国高校生男子が優勝、安海さんが3位
おすすめの記事
スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
このコンテンツが公開されたのは、
世界有数の試験・検査・認証機関であるスイスのSGSは、本社をジュネーブ州からツーク州に移転する。大手多国籍企業の移転は、ジュネーブ州の税収にも影響を及ぼしそうだ。
もっと読む スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
おすすめの記事
ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
このコンテンツが公開されたのは、
スイス西部ローザンヌで2日、第53回ローザンヌ国際バレエコンクールが始まった。23カ国から集まった85人の若手ダンサーが8日の最終選考進出を目指し、さまざまな課題曲に挑戦する。
もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
おすすめの記事
スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は29日、国外から子どもを迎える国際養子縁組を将来的に禁止する意向を表明した。虐待防止措置の一環としている。
もっと読む スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
おすすめの記事
スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は29日、生殖補助医療法を改正し、カップルに対する卵子提供を合法化する方針を発表した。政府はまた既婚・未婚問わず全てのカップルへの精子・卵子提供を解禁する意向を示した。
もっと読む スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
おすすめの記事
スイスに感染症情報解析センター発足
このコンテンツが公開されたのは、
感染症に関する情報を収集・解析する「病原体バイオインフォマティクスセンター(CPB)」が23日、スイスの首都ベルンに新設された。集約したゲノムデータを管理・解析し、スイスの感染対策を改善する役割を担う。
もっと読む スイスに感染症情報解析センター発足
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
続きを読む
おすすめの記事
スイス、ハイパーループ技術をテスト
このコンテンツが公開されたのは、
超高速輸送システム「ハイパーループ」の欧州初の試験場所として、スイス南部ヴァレー(ヴァリス)州コロンベイ・ミュラにある工業地区が選ばれた。来年後半に着工する予定。
もっと読む スイス、ハイパーループ技術をテスト
おすすめの記事
スイスの研究者 災害救助のための感知センサーを開発
このコンテンツが公開されたのは、
連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は16日、センサーで生き埋めになった人を見つけ出す電子装置を開発したと発表した。人間のにおいを感知する極小のセンサーで、従来のガスセンサーに比べてコストが安いのが特徴。地震や雪崩が起こった際の捜索・救助活動に役立つという。
もっと読む スイスの研究者 災害救助のための感知センサーを開発
おすすめの記事
スイス連邦工科大学、1.5兆円の経済効果
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦工科大学(ETH)は2016年、関係機関全体で10万人分の雇用を生み、130億フラン(約1.5兆円)の経済効果を生んだとする調査結果を、英国の経済コンサルティング会社ビガー・エコノミクスが出した。年間予算の4倍の利益を生んでいる計算だ。
もっと読む スイス連邦工科大学、1.5兆円の経済効果
おすすめの記事
連邦工科大の教授がアカハラ?「教授の圧力」に疑問符
このコンテンツが公開されたのは、
連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)の女性教授からアカデミック・ハラスメントを受けていたとして、複数の学生が大学側に申し出ていたことが分かった。ドイツ語圏の日刊紙NZZの日曜版が22日、報じた。
もっと読む 連邦工科大の教授がアカハラ?「教授の圧力」に疑問符
おすすめの記事
ヨハン・シュナイダー・アマン経済相、来年末で閣僚引退へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのヨハン・シュナイダー・アマン経済・教育・研究相(66)が独語圏の日刊紙NZZのインタビューで、2019年末の任期満了に伴い閣僚の座を退く意向を示した。
もっと読む ヨハン・シュナイダー・アマン経済相、来年末で閣僚引退へ
おすすめの記事
ノーベル賞ブームに乗るスイス
このコンテンツが公開されたのは、
スイス人のノーベル賞受賞については、8月1日の建国記念日の演説でよくテーマになり、スイス連邦政府の政策により、国際貿易を奨励するスイス貿易振興会 ( Osec ) も、海外の企業や人材をスイスに誘致する際の宣伝に利用して…
もっと読む ノーベル賞ブームに乗るスイス
おすすめの記事
音を吸収する、軽いカーテンが誕生
このコンテンツが公開されたのは、
デザイナーのアネッテ・ダグラス氏 ( 40歳 ) がデザインしたカーテンは3種類。一見どこの家にもありそうな普通のカーテンだが、実は防火性のあるポリエステルでできており、よく見ると細かく織られているのがわかる。 カーテン…
もっと読む 音を吸収する、軽いカーテンが誕生
おすすめの記事
チューリヒで学生起業家クラブが街頭実験
このコンテンツが公開されたのは、
3チーム、4日間、3立方体。スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)の起業家クラブが週末、チューリヒのあちこちである実験をした。
もっと読む チューリヒで学生起業家クラブが街頭実験
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。