東京で開催される第32回夏季オリンピック・パラリンピックに向けてスイス・ハウスが設置される。
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横浜市出身。1999年からスイス在住。ジュネーブの大学院で国際関係論の修士号を取得。2001年から2016年まで、国連欧州本部にある朝日新聞ジュネーブ支局で、国際機関やスイスのニュースを担当。2016年からswissinfo.chの日本語編集部編集長。
スイス外務省は26日、2020年東京五輪に向けて、スイス・ハウスの設置が連邦議会で承認されたと発表。スイスを国際的に促進する政府機関プレゼンス・スイスのディレクターを務めるニコラ・ビドー大使は、スイスインフォに対し「スイスと日本に共通の価値観を取り入れたスイス・ハウスにしたい」と話す。「あまり知られていないが、日本人とスイス人には、例えば、入念さ、几帳面さ、仕事の完璧さなどの共通の感性があると思う。他にこれほどスイスと共通するものがある国はなかなか無い」と連邦内務省文化局の元映画責任者だったビドー大使は説明する。
スイス・ハウスでは、「スイスのメダリストの記者会見や経済・観光振興イベントも行う予定だが、アピールするのはチョコレートや流行のスイスの白ワインだけではない。身体障害者スポーツの大きな発展が見込まれると言われる2020年東京パラリンピックの開催に伴い、スイスも身体障害者のためのロボット技術や義肢装具の研究に力を入れていることなども紹介したい」と語る。
そして、施設のデザインや建築においては、「スイスと日本の建築家による共同設計を検討している」と明かす。「いろいろな日本の卓越した建築家をプロジェクト提携の視野に入れているが、例えば、最近スイスで優れた建築作品を設計した隈研吾氏は、スイス建築家と共同作業をしたいとも言ってくれている。」「スイスと日本共有の建築概念を取り入れられたら」と思いを寄せる。
スイス・ハウスの設置には、440万フラン(約4億9200万円)が見込まれているが、そのうち3分の1はスポンサーが支援する予定。建設場所は依然として未定だが、渋谷か東京湾の埋立地の一角を候補としているという。
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冬季五輪の候補地シオン、五輪らしからぬ「五輪」を夢見て
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2026年冬季五輪の招致を目指しているスイスでは、候補地の一つだったグラウビュンデン州民が住民投票で「開催反対」を突きつけた。スイスで候補地として残るのは南部の町シオンのみだ。住民の開催反対は招致の妨げにはなるものの、世界第3位の規模を誇るスポーツの祭典にとって、直接民主制における市民の権利は障害ではない。それどころか、国際オリンピック委員会(IOC)を後ろ盾するものかもしれない。
画期的な出来事が再び訪れようとしている。スイス・オリンピック委員会は4月11日の総会で、スイスで最後の候補地となったシオンを9年後に開かれる冬季五輪の開催地に正式に選定するかどうかを決定するのだ。シオンの招致には、まずシオンを州都とするヴァレー州、そしてヴォー州、フリブール州、ベルン州のほか、ボブスレーの競技会場となるサン・モリッツがあるグラウビュンデン州も関わっており、これらの自治体は「シオン2026」という標語の下、地域分散型で環境的に持続可能なスポーツ大会を目指している。候補地は、IOC総会で14年に採択された改革案「オリンピック・アジェンダ2020」の提言に従うことが求められている。14年のソチ冬季五輪および16年のリオデジャネイロ五輪が人権、環境、財政の面で悲惨な結果に終わったことを受け、IOCは今後の五輪大会を持続可能なものにするための40の提言をこの改革案にまとめた。その中には五輪開催のプロセスに「一般市民を参加させること」が明確に記されている。
提言には他にも透明性、良いガバナンス(組織統治)、自己決定に関したものあり、これらの提言を実行することで、五輪という巨大なスポーツ大会が将来的には「民主主義的で持続可能な」枠組みの中で開催されることが期待されている。
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隈研吾のスイス初の建築、オープン 木と石の屋根でヒューマンなものを創出
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世界のスター建築家、隈研吾のスイス初の建築「ArtLab」が11月4日、連邦工科大学ローザンヌ校のキャンパスにオープンした。250メートルの長い屋根の下に三つの異なる機能の「箱」が配置されたこの建物は、日本の木造平屋のような控えめなやわらかさと同時にシャープなデザイン性を持ち、どっしりとした屋根と長いひさしで人を温かく迎え入れてくれる。世界一流の建築家の作品が立ち並ぶスイスで「ここ20年の一つの最高作」と建築ジャーナリストたちが高く評価した。
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なぜグラウビュンデン州の住民は五輪招致を拒否し続けるのか
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スイス東部グラウビュンデン州でオリンピックの聖火が燃え上がる可能性が消えた。2026年冬季五輪のさらなる招致計画は、先日の住民投票で反対6割に達した。住民の反対により同州が冬季五輪の候補地にならなかったのは、この4年間でこれが2度目だ。13年の住民投票では、22年冬季五輪の招致計画が否決された。
グラウビュンデン州政府は26年冬季五輪の招致を目指し、野心的な計画を打ち立てていた。しかし、それに対する向かい風はとても強く、住民は住民投票でノーを突きつけ、計画は消えた。州政府は招致計画を強力に支えていたが、おそらくそれが強力すぎたのだろう。そしてそれはまた、あまりにも一方的だったのではないか。
少なくとも、スイスインフォが州都クールで行ったアンケートでは、この推測が当てはまる。「州政府の招致推進キャンペーンはうんざりだった」と、ある男性は反対に票を投じた理由を述べる。またある女性は、冬の暖かな日差しにまぶしそうにしながら「私には招致が押し付けられているように感じた」と言う。他の女性は「圧力が強すぎた」と語る。
五輪招致を巡る住民投票では、民主主義の観点からみると三つの問題点があった。一つ目は、「州政府が今回の投票を、他の、もっと州にとって重要な案件とは異なる扱いをした」点だと、民主主義研究機関「アーラウ民主主義センター(ZDA)」の所長で、法学教授のアンドレアス・グラーザー氏は言う。州政府がどの住民投票でも今回のように攻勢的な態度を取っていれば、またそのような態度がグラウビュンデン州の政治文化として根付いていたならば、住民から理解が得られたかもしれない。「だが州政府は今回の案件を過度に重要視していた」(同氏)
出席者は賛成者のみ
二つ目の問題点は、招致の是非を巡るパネルディスカッションに州政府閣僚5人全員が参加し、招致反対派が誰も参加しなかった点だ。「こうした形は例にない」とグラーザー氏は言う。「これでは本当の意見形成はできない」
三つ目の問題点は、立候補ファイルの公開がかなり遅かったことだ。これは深刻な問題にあたる。住民投票に先駆けて州議会では招致に関する議論が行われたが、議員たちは招致計画がどういう内容のもので、どの競技をどの場所で開催するのか、また選手村の建設場所について詳しくは知らなかった。招致反対派のジョン・プルト州議会議員(社会民主党)は「これには言葉が出なかった。民主主義の観点からすると正しくない」と話す。立候補ファイルが公開されたのは、住民投票開催日のちょうど1カ月前だった。州の情報公開法に基づき公開請求が2件出されていたためだった。
「根本的なことが問われた」
立候補ファイルの責任者を務めるジョン・ドメニク・パロリーニ州経済大臣は、民主主義の欠落を指摘する批判を一蹴する。「住民投票で必要だった情報は全て公開されていた。なぜなら我々はまず根本的なことを問いたかったからだ」。「根本的なこと」とはつまり、グラウビュンデン州で冬季五輪を開催することに、住民はそもそも賛成かそうでないか、ということだ。
州政府はその次の段階として、詳細な計画について議論を行う予定にしていたという。「こうして2段階で進めようとしていたのは、民主主義を非常に重んじていたためだ」とパロリーニ氏は話す。詳細な計画の作成に巨額を投資したのに、結局誰も五輪開催を望んでいなかったという結果にならないために、州政府はまずは民意を取り付けたかったという。
また、大まかな計画が公開されてこなかった理由は、山岳地方のヴァレー州も冬季五輪の開催地に立候補する可能性があったからだと話す(囲み欄参照)。「我々が入念に作成した情報を他の候補地に流したくなかった」(パロリーニ氏)。
スイス国内で候補地が選定されるのは12月中旬で、この期日以降は開催計画を変更できなくなる。「私は以前から立候補ファイルを公開する意志はあった。それは、情報公開請求が出される前からだ」
「州政府全閣僚が一致団結」
州政府が五輪開催に力を注いでいたことに対し、パロリーニ氏はこう答える。「我々が熱心に取り組んでいた理由は、それがグラウビュンデン州にとって大きなチャンスだと思えたからだ」。州政府全閣僚は招致に向けて一致団結していたと、同氏は言う。同様のことは前出のパネルディスカッションにも当てはまる。同氏に言わせれば、それは特に例外的なことではなかった。「州政府はこれまでも閣僚全員でそのような催しに出席したことがある。州政府に対する批判は、司会者や聴衆が州政府に質問を投げかけるという形で行われた」。それに加え、州政府は意見が対立するパネルディスカッションにも数多く参加してきたという。
州政府が五輪招致に力を入れすぎていたかどうかは見方次第だと、パロリーニ氏は話す。「私はやりすぎだとは思わなかった。なぜなら、我々はいつも住民と対話してきたからだ。住民は投票で意思表示をした。我々は当然、その意思を完全に受け入れる」
法学教授のグラーザー氏も同様の意見だ。「住民投票があったからこそ、州政府の政策が適時に修正され、住民から広く受け入れられているとはいえない計画にお金と時間が費やされることを防いだ」。この結果から言えるのは、グラウビュンデン州では住民たちが意思決定に直接関わることで、露出度があまりにも高かった招致賛成派の意見や経済的利益を帳消しにできるということだ。
しかし、グラーザー氏によれば、ここでまた別の問題が浮上する。それは「政治家が住民をきちんと代表していない」(同氏)という点だ。住民は、選挙で選ばれた州政府閣僚や州議会議員が自分たちを代表しているようには思えなかった。なぜなら、州議会は賛成大多数で立候補ファイルを承認したからだ。また、州政府はこれまで述べてきたように、常に招致に賛成の立場を表明していた。
なぜこのように住民と政治家との間に溝ができたのだろうか?「それはおそらく、州議会議員が小選挙区制で選出されることと関係しているからだ」とグラーザー氏は言う。この選挙制度は1票の格差を生み、少数政党が議席を獲得しにくくなる可能性があるとして、グラウビュンデン州では以前から批判の的になっている。シオンが冬季五輪候補地
グラウビュンデン州は2026年冬季五輪の招致を住民投票の結果で断念することになったが、スイスの山岳地帯で2番目に大きい州が「シオン2026」という標語を掲げて候補地に名乗りを上げている。第一関門であるスイス・オリンピック委員会らの承認を先日取り付けたのは、ヴァレー州の州都シオン。競技は全アルプス地域とスイス高原の一部の地域(ヴォー州、フリブール州、ベルン州)で開催される予定。
スイス・オリンピック委員会は4月に、シオンを国内候補都市として正式に指名できる。指名が決定された場合、ヴァレー州でも招致の是非を巡る住民投票が行われる。
住民投票で立候補が承認された場合、ヴァレー州が冬季五輪の候補地に立候補するのは1976年、2002年、06年に続きこれで4回目となる。これまでは国際オリンピック委員会(IOC)の投票でいずれも落選した。
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2026年の冬季五輪招致を目指す、スイス・シオン市
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2026年の冬季五輪招致を目指すのは札幌市だけではない。スイス・ヴァレー州の州都シオン市も開催地として名乗りを上げようと、プロジェクト「シオン2026」を立ち上げている。スイスオリンピック委員会は3月7日に、これを承認するかどうかを決定する。シオン五輪を構想し、それを強く推し進めるクリスティアン・コンスタンタン氏に聞いた。
コンスタンタン氏は、建設・不動産業界で名を馳せた人物だが、サッカーの大ファンでもあり、スイス・サッカークラブチーム「FCシオン」の会長を03年から務めている。
「優れた構想に事欠くことがない」と評判のコンスタンタン氏は、シオン五輪を普通のオリンピックにするつもりはない。シオン市近くの自治体コロンベイ・ミュラ(Collombey-Muraz)にある製油所跡地を除染し、そこをオリンピック村と持続可能性の高い未来の自治体にしていくつもりだ。また、実際の開催にあたっては、 ベルン、フリブール州など、他の四つの州が競技場を提供することになる。
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東京五輪追加種目のスポーツクライミング スイスでも大人気
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美しいスイスアルプスと太陽を楽しめるというのに、どうして室内の壁を登ろうと思うのか?クライミングをたしなまない人にとっては、理解に苦しむところだろう。
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