国際環境NGOグリーンピースやボランティア団体がギリシャ・エヴィア島のCharakes海岸の監査・清掃作業を行ったところ、衝撃的な量のプラスチックごみが見つかった
© Constantinos Stathias / Greenpeace
国際環境NGOグリーンピースによると、スイスの食品大手ネスレはコカ・コーラやペプシコに並び、世界で見つかるプラスチックごみの3大製造元だ。
このコンテンツが公開されたのは、
2018/10/10 12:30
グリーンピースは世界42カ国で9カ月にわたり計239件の監査・清掃活動を実施外部リンク した。どの企業がプラスチックごみを排出しているか詳細に調べた。世界1300団体が加わるプラスチックごみの削減運動「Break Free From Plastic」と共同で行ったこの事業は、1万人のボランティアの手を借り18万7千個ものプラスチックごみを集めた。
集まったごみの製造元を調べ、最も多いメーカー10社を世界のプラスチック汚染の加担者として並べた。
グリーンピースによると、リストのトップに立ったのは飲料の世界最大手コカ・コーラ。42カ国中40カ国でコカ・コーラ社製のプラスチックごみが見つかった。(ごみの種類は略)2位はペプシコ、3位はスイス西部・ヴヴェイに本社を置くネスレだった。この3社だけで世界で見つかったプラスチックごみの14%を占めた。
4位以下はダノンやモンデレといった多国籍食品企業、生活用品製造・販売企業プロクター・アンド・ギャンブル、家庭用品製造企業ユニリーバー、製菓会社ペルフェティ・ファン・メレ、食品企業マース、日用品製造企業コルゲート・パーモリーブ。
リサイクル可能な容器に
ネスレは2025年までに全ての容器をリサイクルまたは再利用可能なものに切り替える方針外部リンク だ。各社ともリサイクル品を包装に使う努力も進めている。
ネスレはリサイクルできないプラスチックの削減にも努めているとコメントした。ほかにもさまざまな容器詰め方法やリサイクルシステムの確立、プラスチックごみの削減を試みている。
グリーンピースは報告書で、調査はプラスチック汚染の原因となる企業を断定する目的ではなく、「世界の清掃活動で見つかるごみで、知名度が高いブランドはどんなものかを示す」ことを狙ったと記した。
PLACEHOLDER
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
2025/01/15
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
2025/01/14
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
2025/01/10
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
おすすめの記事
ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
このコンテンツが公開されたのは、
2025/01/09
米ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、スイスでの人員削減を計画している。
もっと読む ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
おすすめの記事
「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
このコンテンツが公開されたのは、
2025/01/08
スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。
もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
おすすめの記事
スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
このコンテンツが公開されたのは、
2025/01/08
スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。
もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
おすすめの記事
ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
このコンテンツが公開されたのは、
2025/01/03
ユングフラウ鉄道グループは、ユングフラウヨッホの2024年の来場者が105万8600人となり、2015年以来6度目の100万人の大台を超えたと発表した。
もっと読む ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
おすすめの記事
2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
このコンテンツが公開されたのは、
2025/01/03
スイスは2024年の企業倒産件数が過去最高を記録した。
もっと読む 2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
おすすめの記事
国民投票に向けた署名がまたも偽造
このコンテンツが公開されたのは、
2024/12/31
医療品の安定供給を求める国民投票に向けて集められた署名のうち、3600筆以上が無効な署名だったことが明らかになった。
もっと読む 国民投票に向けた署名がまたも偽造
おすすめの記事
スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
このコンテンツが公開されたのは、
2024/12/30
1964年東京オリンピックで銀メダルを勝ち取ったスイス人柔道家のエリック・ヘンニ(Eric Hänni)さんが25日、86歳で死亡した。スイス柔道・柔術協会が発表した。
もっと読む スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
続きを読む
次
前
おすすめの記事
リサイクルでトップクラスのスイス、でもゴミの排出量も
このコンテンツが公開されたのは、
2019/01/24
スイスの消費者が出すゴミの量は増加傾向にあるが、リサイクルの成績も欧州では依然としてトップだ。欧州連合統計局(ユーロスタット)が明らかにした。
もっと読む リサイクルでトップクラスのスイス、でもゴミの排出量も
おすすめの記事
ネスレ、時価総額で欧州トップに
このコンテンツが公開されたのは、
2019/01/03
スイスの飲食料大手ネスレが欧州で最も時価総額の高い企業に輝いた。
もっと読む ネスレ、時価総額で欧州トップに
おすすめの記事
毎年50トンものゴミ スイスのレマン湖
このコンテンツが公開されたのは、
2018/12/19
スイスとフランスの国境にあるレマン湖には、毎年約50トンのプラスチックごみが流れ込むことが新しい研究で明らかになった。
もっと読む 毎年50トンものゴミ スイスのレマン湖
おすすめの記事
ヌーシャテル、2019年からレストランでストロー使い捨て禁止
このコンテンツが公開されたのは、
2018/05/23
スイス西部のヌーシャテル市では、2019年からカフェやレストランでのプラスチックストローの使用を禁止する。廃プラスチックを削減する動きは世界的に広がっており、ストローの禁止はスイスでは初めて。
もっと読む ヌーシャテル、2019年からレストランでストロー使い捨て禁止
おすすめの記事
スイス、使い捨て製品の全面禁止に追随せず
このコンテンツが公開されたのは、
2018/06/07
スイスのドリス・ロイトハルト環境相は4日、プラスチックストローやフォーク・ナイフなど、使い捨てプラスチック製品の使用を禁止する欧州連合(EU)に追随する意向はないことを明言した。
もっと読む スイス、使い捨て製品の全面禁止に追随せず
おすすめの記事
海のプラスチックごみ、巨大ヨットできれいに
このコンテンツが公開されたのは、
2018/04/25
海に漂うプラスチックごみを巨大ヨットで集積―。ソーラーエネルギーで動く巨大ヨット「マンタ」が今月、スイス・ジュネーブで開かれたジュネーブ国際発明展で初公開された。発案したのは著名なスイス人航海士イヴァン・ブルゴーニュさん(46)だ。
もっと読む 海のプラスチックごみ、巨大ヨットできれいに
おすすめの記事
量り売り用ビニール袋に有料化の動き
このコンテンツが公開されたのは、
2018/03/13
スーパーマーケットの青果コーナーにあるセルフ量り売り用ビニール袋。これまで無料だった袋が、イタリアでまもなく有料化される。ドイツでもレーヴェなど大手スーパーは、再利用可能なネット状の袋を代用品として試験導入した。スイスではどのような取り組みがされているのか。
もっと読む 量り売り用ビニール袋に有料化の動き
おすすめの記事
海のプラスチックごみをエネルギー化、スイスの環境保護団体が計画
このコンテンツが公開されたのは、
2016/04/05
世界の海を漂うプラスチックごみによる海洋汚染の実態を調査していたスイスの環境保護団体「レース・フォー・ウォーター財団」がこのほど、調査結果の概要を公表した。汚染対策として一般的なのは大規模な海洋清掃だが、同団体は「非現実的だ」と指摘。目指すのは、プラスチックごみのエネルギー化だ。
もっと読む 海のプラスチックごみをエネルギー化、スイスの環境保護団体が計画
おすすめの記事
スイスのごみ処理とリサイクルの現状
このコンテンツが公開されたのは、
2015/11/30
イノベーションやQOL(生活の質)の面で優れているスイスは、出るごみの量もトップクラスだ。スイスはリサイクルとごみ焼却による発電にも力を入れているが、果たしてそれで消費社会が生み出す大量のごみに対処することはできるのだろうか?
もっと読む スイスのごみ処理とリサイクルの現状
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。