スイス中部シュヴィーツ州のシュトース(Stoos)で16日、勾配角度が最大110%のケーブルカーが開業した。水平方向に100メートル進む間に高さ110メートルを上り、世界で最も勾配が急な路線となった。
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シュトースはルツェルンから電車で1時間半程度の位置にあるスキーリゾートで、標高1305メートル。ケーブルカー外部リンクは標高562メートルのシュヴィーツからシュトースまで約4分で乗客を運ぶ。4両構成の計136人乗りで、ドラムの形をした車両が線路の傾斜に応じて回転するため、乗客は水平に座ったまま上昇する。
1933年に作られた古いケーブルカーの後継として2012年に着工した。工事費は計画段階の4300万フランから5200万フラン(約59億2千万円) に膨らんだ。大衆紙ブリック外部リンクによると、日本の福島第1原子力発電所の事故後、安全性の基準が厳しくなったため経費がかさんだ。2015年だった開業予定にも遅れが出た。
空港にもケーブルカー
スキー場のリフトやロープウェーを含み、ケーブルを利用した乗り物はスイスに2500箇所ある。チューリヒ空港でもターミナル間を結ぶ列車はケーブルで走っており、スイスでも最も乗客数の多い「ケーブルカー」となっている。
(独語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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