第45回ローザンヌ国際バレエコンクールの決勝では、チューリヒ・ダンス・アカデミーに所属するエスポジートさんが1位、愛媛県出身の中尾太亮(たいすけ)さん(17)が3位、東京都出身の山元耕陽さん(15)が4位を獲得し、日本人男性2人が入賞した。
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横浜市出身。1999年からスイス在住。ジュネーブの大学院で国際関係論の修士号を取得。2001年から2016年まで、国連欧州本部にある朝日新聞ジュネーブ支局で、国際機関やスイスのニュースを担当。2016年からswissinfo.chの日本語編集部編集長。
1位に輝いたのは、コンテンポラリー・バリエーションの「ニジンスキー」(ジョン・ノイマイヤーが振付け)で迫力のある踊りを披露したイタリアのミケーレ・エスポジートさん(17)。現在、チューリヒ・ダンス・アカデミーで稽古をしている。
エスポジートさんは優勝を果たし、「興奮している。信じられない」と喜びを語り、「感情表現豊かなダンサーになりたい」との抱負を述べた。エスポジートさんは、ベストスイス賞も獲得した。
今回、審査委員長を務めた英国ロイヤル・バレエ団の芸術監督のケヴィン・オヘア氏は、「大きなバレエ団で踊るということには、才能以上のものが必要とされる。知的だが遠慮や気兼ねをすることなく、協力することに熱心であることが重要だと思っている。今していることを楽しんで、好奇心旺盛で新しいことに敏感でオープンなダンサーになって欲しい」と語った。
3位を獲得した中尾さんは受賞直後、「もう信じられないくらい嬉しくて」と笑顔で目を輝かせた。決勝での踊りは、「自分なりにすごくがんばったし、楽しく踊れたと思います。でもまだ納得のいかない部分もあって、完璧とは言えない」と振り返る。「自分では、コンテンポラリーも良かったと思います。でも、それよりもクラシックのほうが緊張もした分がんばってうまく踊れ、また楽しんで踊れたと思います」と自己評価した。
中尾さんは今回、クラシック・バリエーションでは「白鳥の湖」第三幕の黒鳥を優雅に踊り、観客から大きな拍手を受けた。7歳からダンスを始め、現在はドイツ・マンハイムバレエアカデミーで学んでいるが、将来は、「入賞者として恥じないように、有名なバレエダンサーになりたい」と話した。中尾さんは、昨年もローザンヌに出場したが足の怪我で準決勝には出場できなかった。
クラシックのコーチを務めるパトリック・アルマンさんは、中尾さんを「テクニックがしっかりとしてきれいな上に、控えめな優雅さと気品がある。本当に美しい。直ぐにもカンパニーで踊れる力を持っている」と称賛した。
アクリ・堀本アカデミーに所属している山元さんは4位を受賞し、「すごく嬉しい。この舞台で踊れたことが楽しい。さらに賞をもらったことが嬉しい」と感想を述べ、「これからはこれをバネにして、海外で活躍できるダンサーになりたい」と語った。
今日は、「コンテンポラリーの方が良く踊れた」と言う山元さん。コンテンポラリー・バリエーションでは、青春を描いた「ヨンダリング」を踊った。決勝では、「賞を取ることよりも楽しむことに重点を置いて踊った」
第45回ローザンヌ国際バレエコンクール2017の結果
1位 ミケーレ・エスポジート(イタリア)
2位 マリナ・フェルナンデス・ダ・コスタ・ドゥアルテ(ブラジル)
3位 中尾太亮(日本)
4位 山元耕陽(日本)
5位 ローレン・ ハンター(米国 )
6位 スタニスワフ・ヴェグジン(ポーランド )
7位 ディアナ・ジョルジア・イオネスク(ルーマニア)
8位 スヌ・リム(韓国)
ローザンヌ国際バレエコンクール
15~18歳の若いダンサーを対象にした世界最高の国際コンクールの1つで、スイス西部ローザンヌで1973年から開催されており、若いダンサーの登竜門とも言われる。
今年は、2017年1月30日から2月4日まで開催され、36カ国から338名が同コンクールに応募したが、4日に行われた決勝には9カ国の20人が出場した。日本からは最多の4人が決勝に進出し、そのうち2人が入賞した。入賞者は、奨学金を受け取り希望するダンススクールかバレエカンパニーで1年間研修できる。
同コンクールではこれまで多数の日本のバレエダンサーを輩出し、吉田都さんや熊川哲也さん、そして昨年から英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルとなった平野亮一さんや高田茜さんも入賞している。
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