2017年1月以降、スイスは税に関する自動的情報交換制度に加盟している
© Keystone / Gaetan Bally
スイス連邦政府は税の自動的情報交換制度を強化するため、法改正案を閣議決定した。
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スイス内閣は20日、経済協力開発機構(OECD)の税の透明性と情報交換に関するグローバルフォーラム外部リンク」の勧告を受けた税の自動的情報交換に関する連邦法の改正案を決定した外部リンク。来年の春期議会で審議入りし、2021年初めの施行を目指す。
2017年1月から、スイスは個人や企業の税務情報を提携国と相互に交換している。例えば外国人(経済的な居住地がスイス外にある人)がスイスに持つ銀行口座の情報は1年に1度、国籍国や居住国に送付される。
税の自動的情報交換制度(AIE)と呼ばれるこの制度は、国際的な脱税を防ぐために設けられ、スイスは透明性を欠く国としてブラックリストに載るのを避けるようと加盟した。グローバルフォーラムはスイスの協力体制をチェックし、改善すべき点を勧告した。意見聴取手続きを経て、スイス政府は勧告内容を踏まえた改正案を策定した。
変更点として、AIEの趣旨目的に沿う書類の保管が企業に義務付けられる。スイスの不動産に投資する外国人への監視も強化され、住宅所有者協会の報告免除は撤廃される。一方、非営利組織の銀行口座に対する免除は、意見聴取手続きで猛反対が起こったのを受け、温存される。
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