スイスの視点を10言語で

日本政府の新専用機の内装手がけたスイスの航空機会社

Jet aviationジェット機格納庫
ジェット・アヴィエーション社が、プライベート航空機の内装をするため2008年に開設した格納庫 Keystone

日本政府が2019年度から運用する新専用機「ボーイング777-300ER1号機」が17日、航空自衛隊千歳基地に到着した。内装をデザインしたのはプライベートジェットの整備などを手がけるスイスのジェット・アヴィエーション社だ。

 ジェット・アヴィエーション社はスイス・バーゼルに本社を置く。同社は、美しいデザイン、高級素材で最新機能の家具装備の豪華ジェット機を得意とする。

 創業者のカール・ヒルシュマン氏が1967年、バーゼルのチャーター機運航業グローブ・エアー社の格納庫を買い取り、ビジネスジェット機のメンテナンス会社を立ち上げた。ヒルシュマン氏は航空機関連の精密部品を売り込むため米国で働き、チャーター機ビジネスの成長性を感じとったという。

 69年、スイスの航空機製造ピラトゥス社のメンテナンス・地上整備作業部門を買い取った。ビジネス機の共同所有などの新しいビジネスモデルを始め、欧州や中東に顧客を広げ急成長した。

 しかし創業家のお家騒動で経営は傾き、05年には英投資会社パーミラに買収され、08年には米国の重機械コングロマリット、ジェネラル・ダイナミクスに売却された。フラン高や金融危機で従業員の削減に追い込まれた時期もあった。

 経済の回復とともに経営が回復。現在はバーゼルのメンテナンス部門で670人、内装部門で1470人が働く。ビジネス機のメンテナンスでは規模・能力・実績共に世界のトップクラスとされる。

  2015年3月、同社は「アジアの匿名の顧客」からB777-300ER2機の内装を受注したと発表。これが日本の政府専用機だとみられていた。同社が日本の政府専用機を手がけるのは今回が初めてとみられる。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

茶色い除湿器

おすすめの記事

ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。

もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
Xマークの画面

おすすめの記事

スイスでX離れ進む

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。

もっと読む スイスでX離れ進む
ベルジエ報告

おすすめの記事

「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱

このコンテンツが公開されたのは、 スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。

もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
整備中の飛行機

おすすめの記事

スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠

このコンテンツが公開されたのは、 スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。

もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
署名の入った箱

おすすめの記事

国民投票に向けた署名がまたも偽造

このコンテンツが公開されたのは、 医療品の安定供給を求める国民投票に向けて集められた署名のうち、3600筆以上が無効な署名だったことが明らかになった。

もっと読む 国民投票に向けた署名がまたも偽造
エリック・ヘンニさん

おすすめの記事

スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト

このコンテンツが公開されたのは、 1964年東京オリンピックで銀メダルを勝ち取ったスイス人柔道家のエリック・ヘンニ(Eric Hänni)さんが25日、86歳で死亡した。スイス柔道・柔術協会が発表した。

もっと読む スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部