スイスの消費者は1人当たり年間80フラン(約9200円)を公正な価格取引で途上国の生産者を支えるフェアトレード製品に費やしている。その4分の1は果物だ。
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フェアトレードとは、公平な貿易を意味し、適正価格での取引を通じて、発展途上国の生産者や労働者を持続的に支える仕組みのこと。
スイス・フェアトレード外部リンクによると、2016年のフェアトレード製品の購入額は年6億6480万フランと、前年から16%増え過去最高を更新した。特にヨーグルトやアイスクリーム、ベーカリーなど複合材料製品が57%と大幅に増えた。チョコレートなどカカオ製品も44%増加した。
調査外部リンクはフェアトレード専門店やウェブサイト、大規模小売店で「フェアトレード」マークをつけた商品の売り上げを集計した。
(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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もっとフェアな価格でカカオ取引を スイス企業がウガンダで実験
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ウガンダの首都カンパラと近郊の産業都市ジンジャを結ぶ幹線道路ジンジャロードの交通量は多く、いつも渋滞している。その幹線道路から少し離れた、ナイル川が流れる平たんな辺地にカサヴォという小さな町がある。カンパラから北東に60キロのこの町で、スイスの新興企業「ショッギ(スイスドイツ語でチョコレートの意) 」が、ここでカカオを生産し、真に公正な価格で取引するプロジェクトを立ち上げた。
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ジュネーブの隣町、カルージュで小さなチョコレート店を経営するフィリップ・パスキエさん。高品質とオリジナルな味で評判が高いこの店のチョコレートだが、パスキエさんはこのところ、カカオの生産地はどこか?といった質問を客から受けることが多くなったと言う。
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