2017年上半期の延べ宿泊客数は前年比4.4%増で、スイスフラン高で伸び悩むスイスの観光産業に回復の兆しを見せた。とりわけインドや中国からの観光客数が増加した。
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連邦統計局は7日、上半期における国内外からの延べ宿泊客数は、総計1760万人泊だったと発表した。そのうちスイス人の延べ宿泊客数は810万人泊(4%増)で、半数以上(4.7%増)が国外からの観光客によるものだった。
とりわけアジアからの観光客増加が、フラン高の影響で伸び悩む宿泊産業の集客に貢献した。延べ宿泊客数が最多だったのはインドからで、前年比8万1千人泊増。一方、伸びが最も大きかったのは韓国の35%増。中国と日本からの延べ宿泊客数も、それぞれ5万7千人泊(12%増)と1万6千人泊(12.8%増)増加した。
欧州からの観光客については、延べ宿泊客数の増減にばらつきがみられた。増加が最も大きかったのは、ベルギーの4万6千人泊増。一方、スイス観光産業を支えていた米国(3万6千人泊減)、フランス(1万7千人泊減)、イタリア(1万2千人泊減)の延べ宿泊客数は減少した。7月末にユーロに対するフランの価値が15年1月以来下がったことで、下半期の延べ宿泊客数増加が期待されている。
(英語からの翻訳・説田英香)
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