スイス政府観光局は2020年を「アナス・ホリビリス(ラテン語で恐怖の年)」と表現した
Keystone / Gian Ehrenzeller
スイスのホテル業界全体の昨年の宿泊件数は、前年に比べ4割減少した。国外からは66%減と、新型コロナウイルスの影響が特に大きかった。
このコンテンツが公開されたのは、
連邦統計局が19日、最新の統計を発表した。同局は声明で「新型コロナウイルスに伴う異例の状況で、1950年代終盤以来の前例のない落ち込みだった」とした。
国内需要はそれほど劇的な変化は見られず、前年比8.6%減の1640万泊だった。昨年は2370万泊だった。
スイス政府観光局は同日の年次会見に合わせて出した声明外部リンクで、2020年を「アナス・ホリビリス(ラテン語で恐怖の年)」と表現。「第二次世界大戦以来最大の試練の年として、観光業界の記憶に残るだろう」と述べた。
観光局によると、業界は数カ月にわたる事業閉鎖に加え、欧州からの宿泊客が前年比51%減(600万泊)と激減。国外からの観光客もほとんど見られなかった。
7~10月は国内で夏休みを過ごすスイス居住者が前年比24%増(900万泊)と記録的な伸びを見せたが、業界全体の冷え込みをカバーできるまでには至らなかったという。
都市部は特に影響が深刻で、人気の観光地チューリヒ、ジュネーブは、夏季の宿泊件数が3分の2減少した。
スイスは昨年春に1回目のロックダウンを実施し、夏に向けて徐々に緩和した。しかし秋に入ると感染の第2波に見舞われ、再び制限措置を強化した。現在はセミロックダウン中で、レストランは3月末まで休業。小売店、美術館は3月1日に再開する見込みだ。スキー場は一部を除き営業している。
観光局は今年の見通しについて、連邦議会が昨年可決した同業界への財政援助策が一助になるとみる。だがパンデミックは「まだ終わっていない」とし、警戒を緩めていない。
おすすめの記事
おすすめの記事
スイスの一部の州、レストランの休業継続に反発
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦内閣が発表した新型コロナウイルスに伴うセミロックダウンの段階的緩和計画に対し、グラウビュンデン州など一部の州が反発した。
もっと読む スイスの一部の州、レストランの休業継続に反発
おすすめの記事
スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
このコンテンツが公開されたのは、
日本を公式訪問中のスイスのイグナツィオ・カシス外相は22日、2025年大阪・関西万博のスイス・ナショナルデーのオープニングセレモニーに出席し、結束と対話を呼びかけた。
もっと読む スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
おすすめの記事
フランシスコ教皇死去、スイス大統領が哀悼
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのカリン・ケラー・ズッター連邦大統領は、21日死去したローマ教皇フランシスコに哀悼の意を表した。
もっと読む フランシスコ教皇死去、スイス大統領が哀悼
おすすめの記事
WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
このコンテンツが公開されたのは、
世界経済フォーラム(WEF)は21日、創設者で会長のクラウス・シュワブ氏が同日付で辞任したと発表した。
もっと読む WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
おすすめの記事
スイス外相、日本と中国を訪問
このコンテンツが公開されたのは、
イグナツィオ・カシス外相は日本と中国を公式訪問する。
もっと読む スイス外相、日本と中国を訪問
おすすめの記事
TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
このコンテンツが公開されたのは、
米誌タイムズの「2025年最も影響力のある100人」に、弁護士コーデリア・ベール氏がスイス人女性では唯一ランクインした。ベール氏は気候訴訟で異例の勝訴判決を勝ち取った人物だ。
もっと読む TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
おすすめの記事
ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス小売大手のミグロ(Migros)は14日、アッペンツェル・アウサーローデン準州ヘリザウにある1店舗を年中無休化すると発表した。
もっと読む ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ
おすすめの記事
ハイジのスイス館、150万人以上の来館者見込む 大阪・関西万博
このコンテンツが公開されたのは、
2025年大阪・関西万博のスイス館が、13日の開幕日に開館した。没入感のある展示空間でスイスの多様・卓越性を紹介し、150万人以上の来館者を見込む。
もっと読む ハイジのスイス館、150万人以上の来館者見込む 大阪・関西万博
おすすめの記事
スイス大統領、関税でトランプ氏と電話会談
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのカリン・ケラー・ズッター連邦大統領は、米国の追加関税について、ドナルド・トランプ米大統領と電話会談した。
もっと読む スイス大統領、関税でトランプ氏と電話会談
おすすめの記事
【トランプ関税】スイス経済相が米通商代表と初協議
このコンテンツが公開されたのは、
米国の関税措置をめぐり、スイスのギー・パルムラン経済相は7日、米通商代表のジェミソン・グリア氏とビデオ会議による最初の協議を行った。
もっと読む 【トランプ関税】スイス経済相が米通商代表と初協議
おすすめの記事
スイス、トランプ関税に報復せず
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は3日、ドナルド・トランプ政権が同日発表した関税に対し、当面は対抗措置を取らないと表明した。
もっと読む スイス、トランプ関税に報復せず
続きを読む
おすすめの記事
スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは4月1日、新型コロナウイルス感染症に対する全国的な感染対策を全て撤廃した。秋冬の感染再拡大が懸念される中、スイス公衆衛生当局はマスク義務の再開は必要ないとしている。
もっと読む スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
おすすめの記事
消えた外国人観光客、スイス観光業へのダメージ深刻
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスの影響でスイスの観光業は悲鳴を上げている。今夏に向けて様々なアイデアで地元客の掘り起こしを図ってはいるが、国内客だけでは外国人観光客の穴埋めはできない見通しだ。平常に戻るまでには数年かかるとされる。
もっと読む 消えた外国人観光客、スイス観光業へのダメージ深刻
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。