スイス時計産業 2015年は困難な1年
数年間の急成長を遂げたあとスイスの時計産業は2015年、09年の経済危機以来の後退を経験した。今日26日に発表された、輸出額3.3%減という数字も業界の停滞を顕著に表している。
ウクライナ紛争、ルーブルの暴落、中東情勢の悪化、中国の経済成長失速と汚職対策、スマートウォッチの登場外部リンク、そして追い討ちをかけるようなスイスフラン高。スイスの時計産業が数カ月前から苦戦を強いられている要因は多い。
今日26日、スイス時計協会(FH)が発表した2015年の数字外部リンクは、時計業界の苦戦を裏付けるものだ。昨年の輸出額は14年比で3.3%減の215億2千万フラン(約2兆5千億円)。世界的な経済危機に伴った09年の急激な落ち込みをのぞけば、00年に時計業界が急成長を始めて以来、これほどの輸出後退は初めてだ。
だがそれでも、昨年15年は14年と13年に次いで3番目に良い年だったとして、スイス時計協会は相対的にとらえている。
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統計を見ると、15年は22.9%減となった香港を筆頭に、アジア市場での売上が落ち込んだ。一方で欧州への輸出は伸びている。
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(仏語からの翻訳・編集 由比かおり)
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