The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

ゴッタルドベーストンネルの責任者2人が欧州鉄道賞を受賞

ゴッタルドベーストンネル
ゴッタルドベーストンネル Keystone

スイスを南北に結ぶ世界最長の鉄道トンネル、ゴッタルドベーストンネル(全長57キロメートル)の責任者2人が、鉄道産業に多大な功績を与えた人たちに贈られる今年の欧州鉄道賞外部リンクを受賞した。

 受賞したのはスイス連邦鉄道で建設プロジェクトチームを率いたペーター・イェーデルハウザー氏と、工事を請け負ったアルプトランジット社のレンゾ・シモーニ元最高責任者(CEO)。二人は20日夜、ブリュッセルで開かれた授賞式に出席した。イェーデルハウザー氏は技術や組織がどれだけ進歩しても、「最後はヒトの手がプロジェクトを成功に導いた」とコメントした。

 欧州鉄道賞は鉄道業界では最も権威のある賞とされ、欧州鉄道会社共同体(CER)および欧州鉄道産業連合(UNIFE)が選ぶ。

 アルプスの地下を走るゴッタルドベーストンネルは、スイスの工業技術を結集させて完成。審査では、アルプスをまたぐ鉄道貨物輸送と欧州の交通政策に大きく寄与しているなどの点が評価された。CERのリボル・ロッハマン会長は「スイスでは、貨物輸送をトラックから鉄道にシフトする政策を政治が主導し、国民の明確な支持もある。ゴッタルドベーストンネルはその政策の一環であり、欧州市民にとって非常に価値が高い」と説明した。

 UNIFEのフィリップ・シトローエン会長は「世界最長の鉄道トンネルは、欧州が持てる技術力を結集した偉大な産物というだけではない。地理、インフラ面の障害を克服し、鉄道交通がいかにして欧州における環境的に持続可能で効果の高い経済を支えることが出来るか。それを体現している」と評価した。

 ゴッタルドベーストンネルは2016年6月1日、17年の建設期間を経て開通。貨物列車は同年9月に定期運転を開始。同年12月には旅客列車の運行も始まった。

 スイスが欧州鉄道賞を受賞するのは今回が3回目。09年にはモーリッツ・ロイエンベルガー元連邦大統領、13年にはスイス連邦鉄道のベネディクト・ヴァイベル元CEOが受賞している。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

財布

おすすめの記事

スイスでは現金のチップが主流

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。

もっと読む スイスでは現金のチップが主流
プラタナス

おすすめの記事

プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。

もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
ひまわり畑

おすすめの記事

見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。

もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
UBS

おすすめの記事

スイス政府、金融規制改革の最終案を発表

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦内閣は6日、クレディ・スイス危機を踏まえた金融規制改革の最終案を発表した。自己資本規制を強化し、金融監督局の権限も強化する。

もっと読む スイス政府、金融規制改革の最終案を発表
ガザ

おすすめの記事

スイスの元外交官50人、ガザめぐる政府の「沈黙」を非難

このコンテンツが公開されたのは、 パレスチナ自治区ガザにおけるイスラエルの「戦争犯罪」に関して、スイスの元外交官55人がスイス外相に共同書簡を送り、スイスの「沈黙と消極性」を非難した。政府に対して直ちに措置を講じるよう求めた。

もっと読む スイスの元外交官50人、ガザめぐる政府の「沈黙」を非難

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部