スイスは、高齢者の雇用機会を増やし、労働の生産性を高めなければ、高齢化によって国の繁栄が鈍化するー。スイス連邦経済省経済管轄局(SECO)がこんな調査結果を出した。
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調査外部リンクによると、国内人口の年齢の中央値は1970年の32歳から43歳に上昇。現在の出生率では、2060年までに48歳まで上昇する見込みだ。移民の増加は影響がほとんどないという。
SECOは政界に対し、高齢者の労働市場参加を促進するよう求めた。また、国の成長が鈍化しないよう、すべての年齢層で仕事の生産性を上げる必要があるとも述べた。
専門家は、2030年までに労働市場で最大50万人の雇用不足が生じると予測。会計事務所デロイトは、50~64歳の1000人を対象に行った調査外部リンクを発表。40%が定年後もフルタイムで働きたいと思っていることが分かったという。
働きたい
デロイトの調査によると、65〜69歳の就労者は全体の23%で、経済協力開発機構OECDの平均27%を下回る。定年後も働きたいと答えた40%の人たちに仕事が見つかれば、57万8千人の労働力増につながる。
ただし、多くの人(30%)は、雇用主が高齢者を雇うのをしり込みするため、働きたくても仕事が見つかる望みが薄いと答えた。退職者の約46%は、希望に反して仕事を辞めさせられたという。
スイスの年金受給開始年齢(定年)は男性が65歳、女性が64歳。連邦政府は今年初め、女性の定年を段階的に65歳へ引き上げ、定年を超えても就労する人にはインセンティブを与える計画を発表した。日本の国民年金に当たる老齢・遺族年金制度(AHV)の財政難を改善するための措置だ。
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