新型コロナウイルスによりスイスのスキーリゾート、ホテル、レストランは営業停止が続き、雇用にも影響が出ている。国内の大学が行った調査によると、国内の観光産業は今年60億フラン(約6600億円)の損失が生じる可能性がある。
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ヴァレー応用科学芸術大学外部リンク(HES-SO)が実施した調査では、2020年の観光産業の収益は18%減少するという試算が出た。
ホテル部門単体の損失は3月~5月で20億フランとみられる。通常は102億フランの収益が見込める期間だ。スイス政府観光局が今月初めに発表した損失予測額のほぼ2倍だ。
スイス連邦内閣は今月中旬、スーパーや薬局、郵便局など生活必需サービスを除くすべての店舗の営業を停止すると発表した。ホテルは営業が認められたが、世界的なウイルスの流行を受け、閑古鳥が鳴いている。
調査によると、最も打撃を受ける州はチューリヒ、バーゼル、ジュネーブ、ティチーノ。ビジネス関連の出張や国際会議の中止が理由という。この地域の利益は4月中で90%減と予想される。
営業停止
調査を実施した研究者らは、今回の問題は米同時多発テロ、SARSの流行、ユーロ暴落などの過去の危機とは異なると述べた。
スイスのホテルやレストランなどでは閉業を余儀なくされるところも出てくるとみられる。この分野の雇用は25万人、売上高は284億フランに上る。
グラウビュンデン州では、営業しているホテルは全体の8%のみ。地元の関係者は、国内南東部だけで2億フランの損失が出る可能性があると話す。
ホテル産業団体HotellerieSuisseは今月初め、会員企業の3、4月の収益は45%減少する見込みだと述べた。
調査では、ホテル、レストラン、エレベーター会社、その他のホテル関連サービスなど、スイスの観光業で働く2千人に聞き取りを行った。
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