他国との貿易停滞が、経済にマイナスの影響をもたらす大きな要因だという
© Keystone / Gaetan Bally
新型コロナウイルスによる店舗の営業停止などで、「最も楽観的なシナリオ」に基づいた場合でも国内の産業生産に220億フラン(2兆4200億円)の損失が生じると、エコノミストが試算した。3~6月では最大350億フランに上る可能性があるという。
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は3月16日、生活必需サービスを除く店舗やサービスの停止を講じる措置を出した。感染が深刻な南部ティチーノ州では、必需品を除くすべての産業生産を停止する措置を講じた。連邦工科大学チューリヒ校のスイス景気調査機関(KOF)によると、週あたりの生産損失額は12億フランを見込む。
特に影響を受けているのは小売、運輸、ホスピタリティ部門だ。
損失の大半は、営業・稼働停止のほか従業員の体調不良、隔離措置などに伴うもの。しかし経済に対するマイナスの影響の44%〜71%は、他国との貿易停滞が大きいという。
KOFのディレクター、ヤン・エグバート・シュトルム氏は「現在の戦略が順調だとしても、スイスの経済的コストは主に国際環境によって決まる」と指摘。「(ウイルスの)の封じ込めが世界規模で実現しない限り、スイスの経済問題は深刻なままだ」
KOFは6日、CHメディア外部リンクのインタビューで、パンデミックの間は政府がより手厚い経済保護策を講じるべきだと指摘した。スイス政府はこの間、計600億フラン超の経済対策を打ち出し、操業短縮補償や企業への緊急融資のほか、スポーツや文化など特定のセクターへの財政支援を行っている。
おすすめの記事
スイス、PFASの規制強化を検討
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は「永遠の化学物質」の異名を持つ有機フッ素化合物(PFAS)の規制強化に着手した。飲み水の上限値は来年から引き下げられる。
もっと読む スイス、PFASの規制強化を検討
おすすめの記事
ローザンヌ国際バレエコンクール 韓国高校生男子が優勝、安海さんが3位
このコンテンツが公開されたのは、
ローザンヌ国際バレエコンクールの最終選考が8日に行われ、韓国のパク・ユンジェさんが優勝。群馬出身の安海真之介さんが3位で入賞した。
もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール 韓国高校生男子が優勝、安海さんが3位
おすすめの記事
スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
このコンテンツが公開されたのは、
世界有数の試験・検査・認証機関であるスイスのSGSは、本社をジュネーブ州からツーク州に移転する。大手多国籍企業の移転は、ジュネーブ州の税収にも影響を及ぼしそうだ。
もっと読む スイス検査・認証SGSが本社移転 ジュネーブからツークへ
おすすめの記事
ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
このコンテンツが公開されたのは、
スイス西部ローザンヌで2日、第53回ローザンヌ国際バレエコンクールが始まった。23カ国から集まった85人の若手ダンサーが8日の最終選考進出を目指し、さまざまな課題曲に挑戦する。
もっと読む ローザンヌ国際バレエコンクール2025始まる 日本から13人出場
おすすめの記事
スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は29日、国外から子どもを迎える国際養子縁組を将来的に禁止する意向を表明した。虐待防止措置の一環としている。
もっと読む スイス政府、国際養子縁組を禁止へ
おすすめの記事
スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は29日、生殖補助医療法を改正し、カップルに対する卵子提供を合法化する方針を発表した。政府はまた既婚・未婚問わず全てのカップルへの精子・卵子提供を解禁する意向を示した。
もっと読む スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
おすすめの記事
スイスに感染症情報解析センター発足
このコンテンツが公開されたのは、
感染症に関する情報を収集・解析する「病原体バイオインフォマティクスセンター(CPB)」が23日、スイスの首都ベルンに新設された。集約したゲノムデータを管理・解析し、スイスの感染対策を改善する役割を担う。
もっと読む スイスに感染症情報解析センター発足
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
続きを読む
おすすめの記事
スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは4月1日、新型コロナウイルス感染症に対する全国的な感染対策を全て撤廃した。秋冬の感染再拡大が懸念される中、スイス公衆衛生当局はマスク義務の再開は必要ないとしている。
もっと読む スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
おすすめの記事
スイス、失業対策を強化 派遣社員も対象に
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府が新型コロナ危機を受けた経済・金融支援を拡充している。8日は失業を防ぐための短間勤務補償制度の対象拡大や手続きの簡素化を発表した。無利子融資策も倍増。一方、債務取り立て手続きの留保は16日までとし、延長しないと決めた。
もっと読む スイス、失業対策を強化 派遣社員も対象に
おすすめの記事
スイスの操業短縮制度とは
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により大量の失業者が出るのを防ぐため、スイス企業から操業短縮制度の申請が殺到している。どのような仕組みなのだろうか?
もっと読む スイスの操業短縮制度とは
おすすめの記事
コロナ検査 そもそも最適な検査率はある?
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルス感染症の人口当たりの検査率でスイスは世界トップに入る。しかしスイスの総人口に占める感染者の割合はまだ把握できていない。新型コロナQ&A第2弾は、最適な検査率というものがそもそも存在するかどうかを探る。
もっと読む コロナ検査 そもそも最適な検査率はある?
おすすめの記事
スイスのアーティスト向け助成 イベント中止の補償も
このコンテンツが公開されたのは、
音楽家やデザイナーなどスイスでアートを仕事にする人々は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により減った収入の一部に対する補償を申請できる。
もっと読む スイスのアーティスト向け助成 イベント中止の補償も
おすすめの記事
データとグラフで見るスイスの新型コロナウイルス
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの新型コロナウイルスの感染状況と推移を示す最も重要な数値を、グラフィックで紹介する。グラフィックは最新データを基に自動的に更新される。
もっと読む データとグラフで見るスイスの新型コロナウイルス
おすすめの記事
新型コロナ1カ月 図で見るスイスの感染状況
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルス対策の最前線にいない者にとって、感染者数の増え方を把握するのも骨が折れる状況だ。
もっと読む 新型コロナ1カ月 図で見るスイスの感染状況
おすすめの記事
スイス、病院のベッド数は足りるのか?
このコンテンツが公開されたのは、
各国では近年、病院のベッド数が減っている。新型コロナウイルス危機では問題になりかねない。スイスはどうだろうか。データを分析した。
もっと読む スイス、病院のベッド数は足りるのか?
おすすめの記事
スイスの高齢者介護施設、新型コロナの影響深刻
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスが、スイス国内の高齢者介護施設の入居者とスタッフに深刻な影響を及ぼしている。国内の日曜紙が報じた。
もっと読む スイスの高齢者介護施設、新型コロナの影響深刻
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。