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スイス、月110万円の収入を何に使っている?

Einfamilienhaus mit Auto
スイスの家計は交通費、中でも車への支出が多い Keystone / Martin Ruetschi

スイスの人は平均的に収入が高いが支出も多い。それでも生活費を差し引いて文化や余暇活動、貯蓄に充てられる額は欧州の中でも多い方だ。

スイスの人は平均的に収入が高いが支出も多い。それでも生活費を差し引いて文化や余暇活動、貯蓄に充てられる額は欧州の中でも多い方だ。

スイスの家計は年々稼ぎが良くなっている。スイス連邦統計局が23日発表した最新の家計調査外部リンクによると、2018年の平均世帯収入は月1万114フラン(約116万円)。前年を200フラン近く上回り、遡れる2006年と比べると1500フランも増えた。

平均的な世帯(2.16人)では、総収入の4分の3は勤労所得で、約5分の1は年金や保険金が占める。一方、所有資産からの収入は家計のなかで微々たるものだ。

3分の1は強制支出

ではスイスの家計は何にお金を使っているのか?総収入の約3分の1は税金や強制加入の社会・医療保険料に消える。これら強制支出の額は06年比で27%増と大幅に増えた。

強制支出を差し引いた可処分所得は平均で月7069フラン(約81万3千万円)。だがスイスの全世帯がこれだけの額を自由に使えるわけではなく、約6割の世帯は平均より低い収入で暮らしている。

可処分所得からの支出で最も多くを占めるのが住居費で、平均約1500フラン。家具・家事用品を加えると、住まいだけで1700フラン(約20万5千円)かかる。

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交通費もなかなかの出費だ。自動車やバイク、電車、飛行機、自転車などの移動手段への支出は750フラン(約8万6千円)を越える。中でも圧倒的に割合が高いのが自動車支出だ。交通費は居住費に次いで多い。

減り続ける食費

第3の出費は食費で、ひと月730フラン(約8万4千円)。食費に関しては国際的に、収入が高いほど食費の占める割合は小さくなることが知られている。これはスイスにも良く当てはまり、06年時点では総収入の8.6%が食費だったが、18年は7.3%に減った。

欧州連合(EU)の中ではルーマニアの食費割合が最も高い(2017年時点)。同国はEU加盟国の中で1人当たり収入が購買力比で2番目に小さい。消費支出の3分の1が食料・飲料・タバコに向かう。17年時点で最も食費割合が小さかったのは英国の約14%で、スイスと似たような水準だ。

収入水準の高い国では、高級品への支出割合が高くなる。例えば英国では15%が文化・余暇活動に充てられる。この分野に10%を充てるスイスよりも、明らかに余暇に重きを置いている。

ただこの原則がEUのあらゆる国に当てはまるわけではない。ケルンにあるドイツ経済研究所のガリナ・コレフ経済学教授は、地域的な選好があると話す。意外なことに、外食・宿泊に費やす支出割合で比べると、ギリシャはドイツの約3倍だという。

貯蓄は1589フラン

スイスの話に戻ろう。総収入の1万114フランから一般的な消費(5296フラン)や仕送りなどの移転支出(2872フラン)、寄付や各種保険料・手数料などその他の支出を差し引くと、貯蓄に回すお金は1589フラン(約18万3千円)と、総収入の約16%となる。

これは国際的にみると、常にスウェーデンやルクセンブルク、ドイツなどと上位を争う高い割合だ。ただし、貯蓄に関する世界のダントツ1位は中国で、約40%が貯えに回る。

(独語からの翻訳・ムートゥ朋子)

(独語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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