現代のバレエ界に大きな影響を与えたフランス人振付家モーリス・ベジャールは、10年前の2007年11月22日に80歳で死去した。
このコンテンツが公開されたのは、
横浜市出身。1999年からスイス在住。ジュネーブの大学院で国際関係論の修士号を取得。2001年から2016年まで、国連欧州本部にある朝日新聞ジュネーブ支局で、国際機関やスイスのニュースを担当。2016年からswissinfo.chの日本語編集部編集長。
ベジャールは1945年に故郷フランス・マルセイユのオペラ座に入団し、ダンサーとして活躍。55年にエトワール・バレエ団を設立後は、振付家としてキャリアを築いた。革新的な試みによる「春の祭典」(1959)のほか、60年に20世紀バレエ団を設立してからは「ボレロ」(1960年)や「ベートーヴェンの交響曲第9番」(1964)をはじめとする数々の名作を生み出した。
87年にスイス西部のローザンヌに拠点を移し、バレエ団「ベジャール・バレエ・ローザンヌ」を率いて世界各地で公演を行った。東京バレエ団では「M」や「ザ・カブキ」などを振付け、独創的で斬新な創作活動を続けた。2007年11月、ローザンヌの病院で息を引き取った。
ベジャールのモダニズムの精神は現在も、バレエ団「ベジャール・バレエ・ローザンヌ」によって受け継がれている。
続きを読む
おすすめの記事
よみがえるモーリス・ベジャールの「魔笛」
このコンテンツが公開されたのは、
モーリス・ベジャールの逝去から10年。今、彼の作品がローザンヌでよみがえった。自身のダンサー人生をベジャールと共に過ごした、ベジャール・バレエ・ローザンヌの芸術監督ジル・ロマン氏は、モーツァルトのオペラ「魔笛」の台本と…
もっと読む よみがえるモーリス・ベジャールの「魔笛」
おすすめの記事
モーリス・ベジャールのスタイルとは?
このコンテンツが公開されたのは、
バレエ団「ベジャール・バレエ・ローザンヌ」の芸術監督ジル・ロマン氏は、ダンサー人生の大半をモーリス・ベジャールと共に過ごした。そんな彼が、モーツァルトのオペラ「魔笛」をバレエで演出したベジャールのスタイルの特性を語る。ま…
もっと読む モーリス・ベジャールのスタイルとは?
おすすめの記事
ベジャール氏、死去
このコンテンツが公開されたのは、
14歳でバレエを始め、大学で哲学を学ぶと同時にダンスのレッスンを受ける。ダンサーとしてのデビューは18歳、振り付けを初めて発表したのは24歳のときだった。 振り付けも来世へ 1959年、「春の祭典 ( Le sacre…
もっと読む ベジャール氏、死去
おすすめの記事
東京バレエ団、「ザ・カブキ」でベジャールを悼む
このコンテンツが公開されたのは、
ベジャールは、東京バレエ団と40年近い交流を持ち「わたしの第2のカンパニー」と呼んだ。「ザ・カブキ 」などの作品は東京バレエ団だけが上演できるという特権を持つほどに同バレエ団を大切にした。 ほかのカンパニーには上演禁止 …
もっと読む 東京バレエ団、「ザ・カブキ」でベジャールを悼む
おすすめの記事
モーリス・ベジャールの「第九」、集団の一体感とエネルギーで友愛を表現
このコンテンツが公開されたのは、
ローザンヌで17~21日行われたモーリス・ベジャール振り付けのバレエ公演「第九交響曲」では、集団のエネルギーが全開。公演後に観客約5千人が総立ちで拍手し、それに応えたバレエ団、合唱団、管弦楽団の全員が観客に拍手を返し、一体となった感動の渦が会場の建物さえ動かさんばかりだった。それは、ベジャールが伝えようとした「人類はみな兄弟」というメッセージを具現したような一瞬だった。踊り手から見た「第九」の魅力を、モーリス・ベジャール・バレエ団のプリンシパル、キャサリン・ティエルヘルムさんに聞いた。
もっと読む モーリス・ベジャールの「第九」、集団の一体感とエネルギーで友愛を表現
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。