スイス第2の銀行クレディ・スイス(CS)がブルガリアの麻薬密輸組織のマネーロンダリング(資金洗浄)に関与して起訴された事件で、初公判が7日、スイスの刑事裁判所で行われた。
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連邦検察は、ブルガリア人の元レスラーが率いる麻薬犯罪組織が2004年から08年にかけてコカインの密輸で得た1億4600万フラン(約182億4千万円)相当を、クレディ・スイスを通じてマネーロンダリングを行ったと主張。マネロンを防ぐための必要な措置を取らなかったとしてクレディ・スイスと元顧客担当を起訴している。
起訴されているのはクレディ・スイスと元行員、麻薬犯罪組織のメンバーとされる2人、ジュリアス・ベアの元行員1人。スイスの大手銀行がマネーロンダリングの罪で裁判にかけられるのは初めて。公判は4週間続く予定だ。
クレディ・スイスはロイターに「当社は全ての容疑を根拠がないとして明確に否定する。当社の元従業員は無実であると確信している」と述べた。
相次ぐ不祥事
クレディ・スイスでは不祥事が相次いでいる。
昨年は、英グリーンシルと米アルケゴスとの取引で巨額の損失を出したほか、モザンビークでの汚職事件に関与したとして米英当局に巨額の罰金を科された。先月には新型コロナウイルス感染予防の隔離規制違反を巡りアントニオ・オルタオソリオ会長が辞任している。
また近年は、UBS、ファルコン・プライベートバンク、ジュリアス・ベア、BSIなど他のスイスの銀行も、さまざまな違反行為で処罰や問責を受けている。
汚職防止活動に取り組むスイスのNGOパブリックアイ外部リンクは7日、今回の裁判でスイスの金融規制当局の欠点が明らかになったと述べた。
同NGOはまた、「監督手段や制裁措置の大幅な強化が政治的に求められていることの証だ」とも述べている。
(英語からの翻訳・編集 大野瑠衣子)
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