インフレやウクライナ戦争の混迷を受け、スイスの消費者心理が大きく悪化している。
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スイス連邦経済省経済管轄局(SECO)が2日発表した4月の消費者信頼感指数外部リンクによると、消費者心理がここ数カ月で「大幅に」悪化した。
先月の消費者信頼感指数はマイナス27と、1月のマイナス3.8から大幅低下。低下幅は新型コロナウイルス危機が発生した2020年春以来の大きさとなった。
SECOは「価格が上がり続けるのに伴い、家計に緊張感が広がっている」とまとめた。特に向こう12カ月の経済に対する不安が強まっている。「インフレが家計の購買力を押し下げている」とも指摘した。
スイスの3月のインフレ率は2.4%に上昇した。2021年通年では0.6%と緩やかな上昇だった。
消費者心理の悪化要因について、SECOは経済に対する悲観論や家計の先行き不安を挙げ、「ウクライナでの戦争に関連した不確実性の高まりは、消費者がまとまった購入行動を控える主要因となる可能性が高い」と指摘した。
一方、労働市場の現状に対する消費者心理は平均よりも上向いている。1月以降、雇用に関する消費者心理は「大きく改善」した。今後12カ月の失業率は安定して推移するとの見通しが強い。
産業界の心理も悪化
スイスの産業界でもインフレ進行への緊張が高まっている。2日発表された4月のスイス製造業購買担当者景気指数(PMI)は62.5と、前月の64.0から低下した。
PMIは今後3〜6カ月に製造業が購入する予定の原材料の動きを指数化したもので、産業部門の健全性を映す。50より高い数値は拡大局面にあることを示す。
クレディ・スイスは「サプライチェーンの問題は徐々に緩和されている。だが価格は上昇しており、当面、この傾向が大幅に和らぐ兆しはない」と指摘した。製造業の回復は続いているが、勢いは鈍っているとみている。
(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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