スイスのフリブール州警察は5日、ネスレのカプセル式コーヒー「ネスプレッソ」の同州ロモン工場に到着したブラジル発のコンテナから、500キロを超えるコカインを押収したと発表した。
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2日、同工場でコンテナからコーヒー豆の袋を降ろしていた作業員が発見し、警察に通報した。その後の調査で、輸送用コンテナ5基から500キロを超えるコカインが発見された。発見されたコカインの純度は80%以上で、末端価格は5000万フラン(約66億円)と推定される。
当局の発表外部リンクによると、コーヒー豆の袋を積んだコンテナはブラジルから船便で輸送された後、列車に積み替えられた。捜査関係者は、コカインは欧州で販売する目的だったとみている。コカインの入った袋は別の場所に移され、他の原材料とは一切接触していない。
フリブール州警察によると、当局は通報を受けた後、直ちに工場周辺に「広範なセキュリティ境界線」を設定し、警官を大量に配備。税関職員と国境警備隊職員を約20人招集した。フリブール州検察も独自捜査を立ち上げた。
コカインの押収量としてはスイス史上2番目の多さとなった。過去最大は、バーゼル空港警察が2019年にウルグアイ~仏ニース経由で到着したプライベートジェット内のスーツケースから発見した603キロだ。
コカイン入手のしやすさ、欧州で過去最高に
欧州連合(EU)の欧州刑事警察機構(ユーロポール)と欧州薬物・薬物依存監視センター( EMCDDA)は6日、コカインは欧州で「おそらく最も入手しやすい」状態になっているとの分析外部リンクを公表した。
EMCDDAはEUの2020年のコカイン市場を105億ユーロ(約1兆4500億円)以上と推定する。ただし過小評価されている可能性が高いという。
コカインの押収量が最も多いのはベルギー、オランダ、スペインの港だが、他の港でも押収される量が増加している。「これは密売グループが、麻薬密輸対策が手薄と思われる港にまで活動を広げていることを示唆している」
2021年に実施された調査外部リンクでは、欧州におけるコカイン消費の上位10都市に、ザンクト・ガレン、チューリヒ、ジュネーブ、バーゼルの4都市がラインクインした。スイス中毒研究センター外部リンクは、スイスの緩い規制と購買力の強さは、薬物の購入・消費に理想的な条件がそろっていると指摘する。
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(英語からの翻訳・大野瑠衣子)
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