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スイス大統領、ロシア外相に再び仲介役申し出

ラブロフ外相
ニューヨークで行われたスイスとロシアの二国間会談終了後、スイスのイグナツィオ・カシス連邦大統領(右)がロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と握手する写真がツイッターで拡散された Twitter

スイスのイグナツィオ・カシス連邦大統領は21日、国連総会出席のため訪問中の米ニューヨークでロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と二国間会談を行った。スイスはロシアとウクライナの利益代表を務めることができると改めて提案した。

スイスの通信社Keystone-SDAによると、会談後に利益代表任務に関する新たな発表はなかった。

ウクライナ側は先月、スイスがロシアにおける自国の利益代表を務めることに同意。だがロシアは、スイスが欧米の対ロシア制裁に加わり中立性を失っているとして、この提案を拒否した。

カシス氏は会談で、ウクライナ戦争における核兵器使用の可能性や、ロシアがウクライナで住民投票を実施する計画についても懸念を表明した。同氏は会談後「ウクライナの占領地で、いわゆる住民投票を実施しないようロシアに求めた」と述べた。

前日に行われた国連総会の演説では、カシス氏はウクライナにおけるロシアの軍事侵攻を強く非難。軍の即時撤退を要求した。「この戦争は外交的解決によってのみ終わらせることができる」と発言した。

反応は?

ラブロフ氏は会談後、カシス氏と笑顔で握手する写真をツイッターに投稿。これが拡散され、一部のスイス人政治家から批判を浴びた。ドイツ語圏の大衆紙ブリックは、ラブロフ氏と一緒に写真を撮った西側民主主義国の指導者はカシス氏だけだったと報じた。

スイス連邦外務省は同紙の取材に対し、会談冒頭には写真記者数人がその場にいたと回答。「当然写真は撮られる。それはニューヨークで行われるスイス大統領の全ての会議も同じことだ。国連では、どんな会議であっても冒頭取材が認められている」とした。

英語からの翻訳・宇田薫

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