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トランスオーシャン 賠償金の上限は認められず

oil slick Reuters

深海のボーリングを専門に行っている掘削請負会社「トランスオーシャン」はメキシコ湾で発生した原油流出事故に関し、賠償金の上限を定めたい意向だった。

だが6月15日、これが却下されたことを公表した。「トランスオーシャン ( Transocean ) 」の本社はスイスのツーク ( Zug ) 市にある。

159年前の海事法は適用されない

 同社は、賠償金を支払うことになった場合、その上限を2700万ドル ( 約25億円 ) に制限するようアメリカ司法省に要請していた。しかし米報道機関の照会に対し、トランスオーシャンの広報担当者は15日、今回の事故には現行の環境保護法の原油汚染に関する規定を適用することで納得したと答えた。しかし、米テキサス州ヒューストンの管轄裁判所に対し、賠償範囲をより詳細に示すよう補足的な要請を再度提出したという。

 トランスオーシャンは5月半ば、いわゆる「タイタニック号条項」の適用を求めた。イギリスの豪華客船「タイタニック号」の所有者は1912年の沈没事故の後、賠償は客船の価値に相当する金額に制限し、生存者や遺族への賠償はクルーズを提供した会社が行うべきだと主張したところ、これが認められた。

 トランスオーシャン所有の海上石油掘削基地「ディープウォーター・ホライズン」は4月20日、メキシコ湾で爆発した。この基地はイギリスの石油会社BPが2007年9月からリースしており、爆発の際11人の作業員が死亡した。その2日後、基地は水深約1500メートルの海底に沈んだ。

 破損したパイプからは現在も大量の原油が流出し続け、アメリカ南部の州の海岸を汚染している。BPのトニー・ヘイワード最高経営責任者 ( CEO ) は17日、米下院エネルギー・商業委員会の公聴会で厳しい尋問を受けることになるだろう。
 
swissinfo.ch、外電

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