スイスでは自殺ほう助が合法化されている
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スイスの自殺ほう助機関「エグジット(Exit)外部リンク」は13日、新たに1万0078人が昨年、会員登録し、全体の会員数としては過去最大を記録したと発表した。
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昨年12月末時点の国内ドイツ語圏、およびイタリア語圏の会員数は11万391人。同機関の自殺ほう助のサービスを利用して死を選んだのは734人で、前年の723人から微増した。エグジット外部リンクのサービスを受けるためには会員になる必要がある。
自殺ほう助の問い合わせは約3500件で、14年に比べ1千件以上増加。エグジットはこのうち1031件を受理。16年は991件だった。
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一般的に自殺を図るのは男性が多いが、エグジットの利用者は女性が6割だ。
高齢化社会の進行
自殺ほう助件数の多さには会員数の増加だけでなく、高齢化社会の影響もある。昨年、エグジットのサービスを利用した人の平均年齢は78.1歳で、16年の76.7歳から上昇した。
理由で目立ったのは末期がん、加齢による多発性疾患、慢性疼痛(とうつう)だった。
地域別ではチューリヒエリアが最多で、ベルン州、アールガウ州、ザンクト・ガレン州、バーゼル・シュタット準州、バーゼル・ラント準州と続いた。
同機関は緩和医療の普及が進む一方で、安楽死の需要も依然としてあると指摘する。
ただ、自殺ほう助を選択する人はまれで、国内の年間死亡者6万6千人のうちわずか1.5%だという。
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