日本の山本理顕設計工場が手掛けたチューリヒ空港の商業・娯楽複合施設「THE CIRCLE(ザ・サークル)」が5日、一般向けにオープンした。国内が新型コロナウイルスの第2波に見舞われる中でのスタートとなった。
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ザ・サークルは空港の隣接地に位置し、延床面積は約20万平方メートル。半円形の建物と公園があり、いずれも空港ターミナルに直結している。ホテル2軒、チューリヒ大学病院の外来診療センター、大型会議センター、オフィススペース、レストラン、小売店、娯楽施設が入る。
5日にオープンしたのはショップ、レストラン、公園エリア。今後数カ月以内にはさらに複数の店舗とホテル、コンベンションホールがオープンし、来年以降は共同ワーキングスペース、ジム、保育園などが加わる予定という。
建設期間は5年超で、投資額は12億フラン(約1360億円)に上る。空港運営会社と保険大手スイスライフが共同運営する。
山本理顕設計工場によると、ザ・サークルは極限まで細くした柱などを使い、スイスの「緻密さ」を表現。斬新なデザインであっても、訪れる人がどこか懐かしさを感じる空間に仕上げた。山本氏は「ザ・サークルはひとつの大きな建築ではなくひとつの都市。この都市空間は誰でも自由に参加し楽しむことができる。また世界中から新しい活動をする人たちを待ち受けている」とコメントした。
チューリヒ空港は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により、今年上半期の乗客数は64.3%減、損失額は2750万フランと深刻な打撃を受けた。通常に戻るのは早くても2024年頃の見通しだという。
ザ・サークルのシュテファン・フェルドマン社長は「困難な時期でのオープンとなったが、あらゆる人にとって活力ある場にしていく」とコメント。同氏によると、オープン初日は、全ての分野でフロアの80%が入居済みとなった。
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