スイスの閣僚ドリス・ロイトハルト氏が今月9日に中国を訪問し、李源潮国家副主席らと会談した。環境政策や技術革新分野を中心とした話し合いが行われた。
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ロイトハルト環境・エネルギー・通信相によると、スイスと中国の関係は近年とりわけ経済の分野でより深まったという。「両国の協力関係は広がり、新しい局面を迎えた」とロイトハルト氏は称賛した。
今年のスイス政府の中国訪問は、シュナイダー・アマン大統領が4月に行ったのが最後だった。その際、両元首は「革新的戦略パートナーシップ」を樹立した。
樹立当初にはその内容はまだ漠然としていたが、ロイトハルト氏によれば、樹立以降の協議を経て具体化できたという。「革新的戦略パートナーシップ」は今後、分野ごとに実施され、状況に応じて民間企業も参加する。
ロイトハルト氏によれば、中国は世界で最も温室効果ガスを排出している国だが、中国はこの問題に取り組む姿勢を示したという。
通信について意見は交わされず
さらに今回の中国訪問では、報道などを含めた通信の問題についても扱われるはずだったが、「時間の都合上」ロイトハルト氏の訪問中にこの問題が言及されることはなかった。
国際NGO団体「国境なき記者団」が公表している報道の自由度ランキングで中国は180カ国中、176位だ。
スイスのジャンジャック・ド・ダルデル駐中国大使によると以前、2016年5月に行われた協議で人権をめぐる問題が扱われたという。「このようなテーマは交渉の場で取り上げない方が賢明。相互の信頼関係の上で取り扱う方がよいが、政府の行動に対する批判くらいは可能であるべきだ」とロイトハルト氏は話した。
(独語からの翻訳&編集・説田英香)
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