スイス連邦行政裁判所は10日、スイスの銀行が持つ税務データを他の国に引き渡す際に、銀行の従業員、弁護士、会計士などの第三者個人の実名は明記されるべきではないとの判決を下した。
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連邦財務省は昨年、税務情報とともに専門家の名前も外国当局に引き渡すよう決定。これに対してスイス情報保護委員会が行政裁に異議を申し立てた。行政裁は事務的な役割しか負っていない私人のプライバシーは尊重されるべきだとして、情報保護委員会の訴えを認めた。
銀行顧客の脱税を手助けしたともいえる弁護士らの名を明かすべきかどうかは、過去数年大きな議論を呼んでいる。財務省は、個人名もともに提供することは、情報交換制度の文言・精神を守るために不可欠だと主張している。また、名前を加工するために膨大な書類をくまなく精査するのは時間と費用がかかりすぎるだろうとも述べる。
行政裁はこれに対し、個人名の引き渡しは人権やスイスのデータ保護法に基づくプライバシーの権利を侵害すると言い渡した。
判決により、脱税容疑で捜査を受ける銀行の顧客と関係がある第三者の名前を匿名加工するか、該当者に事前の了承を得る必要が出てくる。このルールは、書類に誤って掲載されてしまった第三者についても適用される、と裁判所は明言した。
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