スイスの男女間の賃金格差がわずかに拡大し、毎月平均して数百フランの差が出ていることがわかった。連邦統計局外部リンクが先月29日、男女間の賃金格差に関するレポートで明らかにした。
このコンテンツが公開されたのは、
2016年の男性の収入は女性より19.6%多かった。12年の19.5%と比較すると若干格差が広がっている。格差の理由として就業時間の長さや資格の多さが挙げられる一方で、理由がなくても女性の給料が低いケースが全体の4分の1を占めた。
具体的な金額を挙げると、16年、女性は全く同じ資格を持つ男性よりも月額657フラン(約7万2300円)少ない。12年は585フラン少なかった。
新法の導入
昨年12月、国会で新しい法律が承認されたが、男女間の賃金格差に今後どのような影響を与えるかはまだ不明だ。従業員数が100人を超える企業は今後、賃金が男女平等かどうか定期的にチェックを行い、その結果を社員と組合に報告する義務が生じる。
同報告書によると、仕事の種類でも給与の格差は異なった。飲食業・宿泊業・サービス業などの部門では327フランであるのに対し、金融業・保険業部門では1300フランと差が開いた。賃金格差は若年労働者間でより顕著に見られ、30歳未満では58%、30〜49歳では43.5%で格差が認められた。 50歳以上では36.6%だった。
統計局はまた、「役職が上がればそれだけ男女間の賃金格差も大きくなる」としている。最低賃金のセグメントでは女性の、最高賃金のセグメントでは男性の雇用が多かった。
2016年、民間部門においてフルタイムの総賃金支払い額が月4千フラン未満の雇用は、女性が6割以上を占めていた。月8千フラン以上の雇用では女性の割合が28.2%、1万6千フラン以上の雇用では女性の割合はわずか18%だった。この値は12年と比較し、わずかに改善していた。
おすすめの記事
国民投票に向けた署名がまたも偽造
このコンテンツが公開されたのは、
医療品の安定供給を求める国民投票に向けて集められた署名のうち、3600筆以上が無効な署名だったことが明らかになった。
もっと読む 国民投票に向けた署名がまたも偽造
おすすめの記事
スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
このコンテンツが公開されたのは、
1964年東京オリンピックで銀メダルを勝ち取ったスイス人柔道家のエリック・ヘンニ(Eric Hänni)さんが25日、86歳で死亡した。スイス柔道・柔術協会が発表した。
もっと読む スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
おすすめの記事
スイス、「若すぎる」子犬の輸入を禁止
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは来年2月1日から、生後15週未満の子犬の商業輸入を禁止する。安易なネット購入を抑止するのが狙い。
もっと読む スイス、「若すぎる」子犬の輸入を禁止
おすすめの記事
スキー初心者泣かせのT字型リフト 生誕から90年
このコンテンツが公開されたのは、
スイス発祥で、今も国内のスキー場で使われているT字型リフトが23日、東部ダボスの地で誕生から90年を迎えた。発明直後から急速に普及したが、現在ではチェアリフトへの転換が進む。
もっと読む スキー初心者泣かせのT字型リフト 生誕から90年
おすすめの記事
スイス、原発新設を解禁へ 政府対案まとまる
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は20日、原子力発電所の新設解禁を求めるイニシアチブ(国民発議)に応え、解禁を盛り込んだ対案をまとめた。
もっと読む スイス、原発新設を解禁へ 政府対案まとまる
おすすめの記事
スイス航空救助隊Rega、クリスマスの出動急増
このコンテンツが公開されたのは、
クリスマスを挟んだ12月24〜26日、スイス航空救助隊Regaの出動件数(国外向け含む)は前年比20%増の150件超に上った。
もっと読む スイス航空救助隊Rega、クリスマスの出動急増
おすすめの記事
スイスとEU、今後の二国間関係について合意
このコンテンツが公開されたのは、
スイスと欧州連合(EU)は20日、貿易や労働、人の移動自由などのルールを盛り込む二国間条約の締結に向けた交渉を完了したと発表した。
もっと読む スイスとEU、今後の二国間関係について合意
おすすめの記事
クレディ・スイス危機への対応「時間がかかりすぎた」 議会調査委が報告書
このコンテンツが公開されたのは、
クレディ・スイスが経営危機に陥った責任を追究するスイス連邦議会の調査委員会は20日発表した報告書で、原因は長年にわたる経営上の不始末にあったと結論付けた。
もっと読む クレディ・スイス危機への対応「時間がかかりすぎた」 議会調査委が報告書
おすすめの記事
世界で最も急勾配のロープウェイがスイスで開業
このコンテンツが公開されたのは、
スイス中部ベルナーオーバーラント地方のシュテッヘルベルクとミューレンの間に、世界一急勾配のケーブルカーが開業した。
もっと読む 世界で最も急勾配のロープウェイがスイスで開業
おすすめの記事
2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦議会は11日、カリン・ケラー・ズッター副大統領兼財務相(急進民主党、60歳)を新大統領に選出した。新副大統領にはギー・パルムラン経済・教育・研究相(国民党、65歳)が選ばれた。
もっと読む 2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
続きを読む
おすすめの記事
1970年からの職業別男女比率の移り変わり
このコンテンツが公開されたのは、
男性助産師、女性電気技師…。実際には性別で職業が制限されていなくても、職業に関する性別のステレオタイプはスイスにも根強く残っている。この記事では、スイスにおける職業別男女比率の50年間の推移をインフォグラフィックで紹介する。
もっと読む 1970年からの職業別男女比率の移り変わり
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。