ローザンヌバレエ2019 準決勝発表 日本人4人選出
スイス・ローザンヌで開催中の国際バレエコンクールで8日午後7時(現地時間)、決勝進出者が発表された。決勝に進出する21人のうち、最多は日本人4人、米国人4人で、韓国、ブラジル、ポルトガルからも各2人ずつが選ばれた。日本人4人のうち3人はすでにバレエ留学中の学生だ。
スイスのチューリヒ・ダンス・アカデミーに高校1年の時から留学している住山美桜(18)さんは、準決勝では美しいターンで観客を魅了。コンテンポラリーは感情豊かに生き生きと表現した。発表直後、スイスインフォのインタビューに対して「夢のようです」「誰か一人にでも心に残るような、記憶に残るような、そんな踊りを目指して頑張りました」と輝く表情で話した。
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また、チューリヒの同校に中学3年の夏から留学している佐々木須弥奈さん(18)は、綺麗なアラベスクのポーズを披露。結果を聞いて「小さいころからの夢であるファイナルに残れてうれしい」とにこやかな笑顔で語る。そして、準決勝での踊りは、「どちらのバリエーションも自分らしさを出そうと思って、コンクールという感覚を忘れて、パフォーマンスをするという気持ちで踊ることができた」と振り返る。
アクリ・堀本バレエアカデミーに所属する千葉県出身の淵山隼平さん(16)は、コンテンポラリー・バリエーションでは自由な表現が課題となっている「Becomings」を披露。上下のアップが激しい動きを丁寧にこなした。「緊張したのが表に出てしまった」と話すものの、「いろんな人達がいるので、いかに自分らしさを出すか」ということに集中した。準決勝の発表後は「とてもうれしいです」と喜びを述べた。
「上手くなるには留学が必要だと思った」と語る脇塚優さん(17)は、昨年9月からハンガリー・ダンス・アカデミー外部リンクに所属する。バレエは4歳の時に始めたが、小学校5年生のころ初めてバリエーションを踊り、周りが上手過ぎて、自分も頑張ろうと思ったのがきっかけでプロのダンサーを目指すようになったという。準決勝では、グラン・パ・クラシックで観客を惹きつける踊りを披露。会場からも大きな拍手が沸いた。ローザンヌでは「みんなのレベルが高く、切磋琢磨しあって、刺激的な1週間。いい経験ができた」。「明日もお客様の印象に残るような踊りが踊れたら」と抱負を述べる。
決勝出場者リスト
SHUGART Julia 米国 16歳
CHOI Jihyun 韓国 16歳
BROWN Mackenzie 米国 16歳
GARRISON Parker 米国 15歳
DA SILVA João Vitor ブラジル 15歳
FERREIRA António ポルトガル 15歳
BENZIE-DRAYTON Noah オーストラリア 16歳
淵山 隼平 日本 16歳
BECKER Carl ドイツ 16歳
DAVIDOFF Benjamin ベルギー 16歳
LI Hang 中国 16歳
SEO Yoon Jung 韓国 17歳
WARDELL Victoria カナダ 17歳
佐々木 須弥奈 日本 18歳
KUPERUS Beatriz 米国 18歳
住山 美桜 日本 18歳
DE GROEVE Achille ベルギー 17歳
脇塚 優 日本 17歳
WU Shuailun 中国 17歳
FIGUEREDO Gabriel ブラジル 18歳
JOAQUIM Alexandre ポルトガル 18歳
ローザンヌ国際バレエコンクール
正式名称はPrix de Lausanne外部リンク(プリ・ド・ローザンヌ)で、才能豊かな若いバレエダンサーがプロの道に踏み出すことをサポートすることを目的とし、スイス西部のヴォー州ローザンヌで1973年から開催されている。15~19歳未満の若いダンサーを対象にした世界最高の国際コンクールの一つで、若いダンサーの登竜門とも言われる。
第47回コンクールは、2019年2月3日から10日まで開催され、決勝はボーリュ劇場で9日午後2時半から行われる。予選のビデオ審査を通過した74人(そのうち12人は日本国籍)が参加している。入賞者は、希望するバレエ学校かバレエ団で1年間研修でき、奨学金が与えられる。
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