スイスの視点を10言語で

スイス相撲全国大会、史上最高齢34歳の新王者

クリスティアン・シュトゥッキさん
シュヴィンゲン2019年大会で優勝したクリスティアン・シュトゥッキさん(えんじ色のシャツ) Keystone / Ennio Leanza

スイス相撲シュヴィンゲンの全国大会が25日、ツークで行われ、クリスティアン・シュトゥッキさん(34)がチャンピオンに輝いた。

シュヴィンゲン外部リンクはレスリングの一種でスイスの国技。牛やヤギの放牧のため、夏を山で過ごす牧夫たちの娯楽として始まった。全国大会は3年に一度開かれる。

シュトゥッキさんは25日午後の決勝に出場。約40秒でスイス中部出身の新顔ジョエル・ヴィッキさん(22)の背中を地面に付けた。

外部リンクへ移動

シュトゥッキさんはスイス公共放送(SRF)のインタビューに「自分でも信じられない。でも本当にうれしい」と興奮冷めやらぬ表情で語った。

シュトゥッキさんは2013年大会でも決勝に進出したが、マティアス・ゼムパッハさんに敗れている。34歳のチャンピオンは過去最高齢だ。

クリスティアン・シュトゥッキさん
優勝を決め、観衆の声援にこたえるシュトゥッキさん Keystone / Ennio Leanza

新王者となったシュトゥッキさんには、優勝賞品の雄牛が贈られた。

優勝賞品の牛
ウエリ・マウラー大統領(右)から優勝をたたえられるシュトゥッキさん。賞品はもちろん牛 Keystone / Ennio Leanza

19世紀末に始まったこの伝統的な夏祭りは3年に1回開催され、メディアでも大きく取り上げられる。

リングはおがくずでできている。相手がはいている短いズボンをつかんで引き倒し、背中を地面に付ければ勝ちだ。シュヴィンゲンはスイス国外ではほとんど知られていないスポーツだが、スイスにルーツを持つ外国人の出場者も時に出てくる。

スイスにはほかにも、伝統の石投げ競技や、ゴルフと野球を合わせたようなスポーツ「ホルヌッセン」がある。

主催者によると、23~25日の期間中の参加者は40万人以上。スポーツイベントとしては国内最大だ。

本物の王

大会は人々の交流促進のほか、国の結束を強め、スイスのアイデンティティーを祝う祭りでもある。その一方で、このイベントを存続させるべきなのかどうか、と議論を投げかけたメディアもある。

今大会には、ツークとの個人的なつながりが縁で招待されたトンガの王が出席した。

次回大会外部リンクは2022年、バーゼル近郊のプラッテルンで開かれる。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

スイス証券取引所を運営するSIX本社

おすすめの記事

スイス証取、英プロバイダーを買収 MTF参入へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス証券取引所を運営するSIXグループは11日、英国の証券取引サービスプロバイダー、アクイス・エクスチェンジを買収すると発表した。今後、多角的取引システム(MTF)に参入する方針だ。

もっと読む スイス証取、英プロバイダーを買収 MTF参入へ
野菜

おすすめの記事

2022年の可処分所得は約95万円 スイス統計局

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦統計局は12日、2022年の1世帯平均の可処分所得はひと月6902フラン(当時レートで約95万円)だったと発表した。前年からほぼ横ばいだった。

もっと読む 2022年の可処分所得は約95万円 スイス統計局
研究所の外観

おすすめの記事

CERNとロシアの研究協力協定、11月末に期限迎える

このコンテンツが公開されたのは、 今月30日、ロシアの研究機関とジュネーブに拠点を置く欧州原子核研究機構(CERN)との協力協定が終了する。研究者はCERNのプロジェクトに影響を及ぼすと警告している。

もっと読む CERNとロシアの研究協力協定、11月末に期限迎える
クラスの風景

おすすめの記事

女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査

このコンテンツが公開されたのは、 スイス・バーゼル大と英ダラム大が1989年から2002年の間にスウェーデンで初等教育を修了した75万人以上の生徒のデータを用いて行った調査で、女子生徒の方が多いクラスを出た女性はより多くの収入を得る傾向があることが分かった。

もっと読む 女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査
雪山で写真を撮る観光客

おすすめの記事

11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ

このコンテンツが公開されたのは、 スイスアルプスで、季節外れの暖かさが続いている。スイスで最も標高の高い地点にあるユングフラウヨッホでは観測史上最高を記録した。

もっと読む 11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
巨大な豆腐を切る人

おすすめの記事

スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで肉食をやめる人が増えている。植物性食品を推進するスイスベジ協会(Swissveg)は30日、スイスのベジタリアンやビーガンの数は過去5年間で約40%増加したと発表した。

もっと読む スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
草原のツルの群れ

おすすめの記事

スイスを縦断するツルが過去最多

このコンテンツが公開されたのは、 スイス鳥類研究所によると、スイスでは今季、はやくも過去最多のツルが観察されている。なかには約800羽の大規模な群れもみられた。

もっと読む スイスを縦断するツルが過去最多
手

おすすめの記事

「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決

このコンテンツが公開されたのは、 スイス南部ティチーノ州ルガーノの州刑事裁判所は23日、利己的な動機で他人の自殺を手助けしたとして、自殺教唆・ほう助の罪に問われた同州の元看護師の女(67)に条件付き罰金刑を言い渡した。

もっと読む 「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
眼の診察

おすすめの記事

スイス、外来診療の新料金体系で合意 定額制を一部導入

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの医療機関団体は22日、外来患者向けの新料金体系を承認したと発表した。エリザベット・ボーム・シュナイダー内務相は積年の議論に決着がついたことを歓迎した。

もっと読む スイス、外来診療の新料金体系で合意 定額制を一部導入
戦車

おすすめの記事

スイス製武器の再輸出解禁案まとまる 主要政党の賛否まとまらず

このコンテンツが公開されたのは、 スイス国民議会(下院)安全保障委員会は、スイス製武器の再輸出の解禁案をまとめた。武器の輸出から5年経過を条件に、ウクライナなど紛争中の第三国への再輸出を認める内容だ。ただ主要政党の間では賛否が割れている。

もっと読む スイス製武器の再輸出解禁案まとまる 主要政党の賛否まとまらず

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部