スイスの芸術評議会「プロ・ヘルヴェティア文化財団(Pro Helvetia)」が2年ごとに発行する画集シリーズ「コレクション・カイエダーティスト」(仏語で「アーティストのノート」の意)は、スイスの有望なアーティストが初めて自分のモノグラフを出版できる絶好のチャンスだ。スイスのアート業界の最新動向が分かる一冊でもある。
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公募は2年に1度行われ、財団の外部審査員が応募者の中から若手アーティストを推薦。当選者には薄いモノグラフの出版が融資される。画集はアーティスト自身も交えて共同制作され、評論家の批評も同時に掲載される。
「アーティストにとって、これは国際的なアートシーンで自分の作品を評論家の評価付きで知ってもらえるまたとない機会だ。『カイエダーティスト外部リンク』の制作を通して新たな交流が生まれ、自分の作品を見つめ直したり、グラフィックアーティストや作家らと共同制作したりするきっかけにもなる」とプロ・ヘルヴェティアのビジュアルアート専門家、ジョシアン・イマスリー氏はswissinfo.chに語る。
35年前に始まったカイエダーティストは、ピピロッティ・リストやフィッシュリ&ヴァイス、クラウディア・コントなどの著名な芸術家も輩出した。今年出版のコレクションでは、以下の8人のアーティストが取り上げられた。
8人のカイエダーティストは、9月20日~26日までメッセ・バーゼルで開催される「2021年スイス芸術大賞外部リンク」で紹介されている。
(独語からの翻訳・シュミット一恵)
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