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スイス人が発明した「台所の強い味方」

ガーリックプレスとピーラー
スイス人の発明がなければ、調理はずっと面倒に違いない Musée national

フランス料理、イタリア料理、中華料理が世界中で親しまれる一方で、スイス料理を知る人はあまりいない。だがスイスは発明品で料理に貢献しているのだ。世界中で料理人をお手伝いする、「台所のスグレモノ」をご紹介する。

スイス料理が世界的によく知られているとは言い難い。しかしスイス抜きでは、料理の世界は少しだけ味気ないものになるだろう。そして調理に手間がかかるようになるのは必至だ。

例えば、ガーリックプレス。ニンニクのかけらを入れてギュッと一握りするだけで、地中海の芳香が溢れる。一つ一つ皮をむいてみじん切りにするなんて考えられない。

セロファン
広告が印刷されたセロファン製のパスタ袋。1937年撮影 Wikimedia

この便利な道具を発明したのはカール・ツィセット(1907~1998年)。ベルン州リス出身の自転車整備士だったツィセットは、発明に情熱を傾けていた。1950年代初頭に彼が開発したガーリックプレスは、世界的なヒット商品となった。野菜の水切り器やタマネギのみじん切り器なども、後にツィセットが市場に出した発明品だ。

包んだり、料理したり… スイス発・キッチンの必需品

セロファン素材のクッキング用シートもスイス人の発明品だ。今ではお馴染みだが、食料品の保存の他にも、肉を比較的低い温度で調理する「低温調理」にも活用できる。低温調理法だと肉をジューシーに保ちながら加熱できるというメリットがある。

セロファン素材はチューリヒ出身のアイディア豊かな化学者、ジャック・ブランデンベルガー(1872~1954年)が発明した。ベルンの大学を優秀な成績で卒業した後、フランスに移住したブランデンベルガーは、1912年に今日も使用される「魔法のシート」を開発したのだった。

そしてもう一つは、料理に欠かせないアルミホイルだ。発明したのはアールガウ出身のハインリッヒ・アルフレッド・ガウチ。1905年には特許を取得した。食品を包むだけでなく、魚などの調理にも使える。今やどこのキッチンにも必ずある必需品だ。

アルミホイル
台所では何かと重宝するアルミホイル。これももちろん、スイス人の発明 Musée national suisse

おろし器とピーラー

スイス発のキッチン用品で忘れてならないのは、おろし器とピーラーだ。20世紀初頭、医者のマクシミリアン・オスカー・ビルヒャー・ベンナー(1867~1939年)は生野菜や果物を中心とした食事療法を提唱し、ビルヒャーミューズリーと呼ばれるシリアルを発明した。それだけでなく、彼はある独創的な調理器具も開発した。

おろし器
1950年代のおろし器 Musée national suisse

ビルヒャーが開発した「ビルヒャーおろし器」を使えば、ミューズリーの材料をあっという間に食べやすい大きさにカットできる。1920年代にビルヒャー・ベンナーがアールガウにあるエグロフ&Co社と共同開発した。おろし器は現在も作り続けられ、世界中の台所で活躍している。

台所で活躍する道具と言えばもう一つ、「皮むき器レックス(REX)」。このピーラーは1947年にアルフレッド・ネヴェックツェラル(1899~1959年)が発明した。じゃがいも、にんじん、キュウリなど、これがあればどんな野菜でも皮むきはあっという間だ。今日までに販売されたピーラーは5千万個を超え、その勢いは今も留まるところを知らない。

確かにスイス料理は世界で一番有名な料理とは呼べないが、調理器具なら、スイスが世界チャンピオンに違いない。

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