国際サッカー連盟(FIFA)のゼップ・ブラッター会長が2日、チューリヒで緊急記者会見を開き辞任を表明した。なぜ再選4日後に辞任を決めたのか?スイスのメディアでは動揺が広がっている。
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「会長の座を退くつもりは毛頭ないと話していた彼がなぜ突然こうした行動に出たのか?FIFA外部リンクの幹部の多くが汚職に手を染めていたことについて、自分は関係ないと繰り返し語っていたのにどうして?」と、ターゲス・アンツァイガー紙は問いかける。
ブラッター会長は2日の記者会見で、後任が決まるまでの間は会長を続けるとしたものの、辞任の理由は明らかにしなかった。
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ゼップ・ブラッター氏のカラフルな世界
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「恥ずかしがり屋」。ゼップ・ブラッター氏を語る上で、この言葉が使われることはまずない。今年、FIFAの会長辞任を表明したブラッター氏。その任期中の姿を、写真で振り返った。
会長としてFIFAを率いた17年間、国のトップたちと親しげに言葉を交わしていたり、国の民族衣装をまとっていたり、修道女にボールの蹴り方を教えていたりしても、ブラッター氏がカメラの存在を忘れることは無かった。
後任を決める選挙が12月前に行われることはおそらく無いが、後任が誰に決まるにしろ、その人物は収賄行為だけでなく、カリスマ性やエンターテインメント性をも含めた「ブラッター像」と同様の強いイメージを確立するために努力しなければならないだろう。
(文・Thomas Stephens)
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米国からの圧力?
NZZ紙は、現段階では憶測にしかならないと前置きしながらも、その理由には米司法省がブラッター氏に辞任をするよう圧力をかけたことがあるとみる。「重大な違法行為に抵触した疑いのある人物や協会に対し、米司法省がどれほど執拗に迫っていたかが最近の例でよくわかる。ブラッター氏は身を刺すような冷たい風が海の向こうから吹いてくるのを感じ取ったのかもしれない」
「外から巨大な圧力がかからなければ、再選してすぐに辞任発表をするなど考えられない」とノイエ・ルツェルナー・ツァイトゥング紙も同意する。
「ブラッター氏は5期目となる会長職をこのままでは務められないと悟っていた」とル・タン紙。辞任は「これまでの自らの過ちを認めたことになる」と指摘する。
辞任で改革は進むか
ブラッター氏は後任が決まるまでの間、FIFAの改革に取り組む意向を明らかにしている。
これに対しノルトヴェストシュヴァイツ紙はこう批判する。「もし彼が本当にFIFAとサッカー界のためを思っていたのなら、再選される前に辞職していたはずだ。そうすればこのような最後のワンマンショーをしなくても済んだはずだ」
FIFAを明るい未来へと導くには、批判の多いブラッター氏は不適任だとターゲスアンツァイガー紙はみる。「FIFAが今後信用されるには、すべての幹部レベルで大改革が行われなくてはならない。だがそれまでの道のりはとても長い。会長職が空いたからといって騒動が落ち着くわけではないからだ。最有力候補の座を巡り、次の会長選挙前には再び揉め事が起こるだろう。(FIFA内部が)浄化される代わりに、次の混乱が待ち受けている」
NZZ紙もブラッター氏はFIFAにとって重荷でしかなかったと指摘し、「後任者は希望の担い手として迎えられるだろう」とみる。「しかし後任者が抱える課題は相当大きい。今の構造ではFIFAが自ら汚職を払拭することはできないからだ」
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5選が確実視されるFIFAのブラッター会長とは?
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米司法当局の要請を受けたスイス警察が27日、現職の副会長を含む幹部7人を汚職容疑で逮捕し、激震に見舞われた国際サッカー連盟(FIFA)。しかし、会長選出は予定通り今日の午後行われる。対立候補のアリ・フセイン王子(ヨルダン)を抑え5期目の当選が確実視されているゼップ・ブラッター現会長とは、いかなる人物なのだろうか?
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FIFAの複数幹部をチューリヒで逮捕
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スイス警察は27日、米司法省の要請に基づき、国際サッカー連盟(FIFA)の幹部6人を汚職容疑で逮捕した。複数の幹部がFIFAの次期会長選を2日後に控え、チューリヒの高級ホテルに集まっていた。
6人の中には、エドゥアルド・リー(北中米カリブ海サッカー連盟役員、コスタリカサッカー協会会長)も含まれている。スイス司法当局が出した声明によれば、これら幹部は、これまでに9500万フラン(約120億円)を超える賄賂を受け取っていた疑いが持たれている。
スポーツメディアやプロモーション企業は1990年代初期から現在に至るまで、FIFAの職員や幹部、さらにFIFAの下部組織に対しリベートを渡し、見返りに「中南米で開催されるサッカー大会のメディア、マーケティングおよびスポンサーの権利を獲得していた」とされており、現在、ニューヨーク東地区の米連邦地検が捜査を進めている。
逮捕された幹部6人の身柄は現在、スイス国内で拘束されており、近く米国に移送される予定。
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