スイスの視点を10言語で

ベルン市立劇場、バレエ団員のセクハラを謝罪

記者会見するベルン・バレエ団の幹部
記者会見するベルン市立劇場とベルン・バレエ団の幹部。セクハラ事件への対応が不適切だったとわびた © Keystone / Peter Klaunzer

ベルン・バレエ団のダンサーが指導者からセクハラを受けた問題で、同バレエ団と親団体のベルン市立劇場の幹部が26日会見し、ダンサーをセクハラから守れなかったことを謝罪した。

セクハラを行っていたのは同バレエ団のリハーサル責任者の男性。今月初めに解雇された。

この男性を巡っては昨年春、複数の女性ダンサーが言葉によるセクハラを受けたとして団に苦情を訴えた。バレエ団は外部団体による調査を経て、男性を警告、停職処分とした。だが男性は2カ月後、職場に復帰。続投を決めたバレエ団の決定に、業界の労働組合から強い批判が上がっていた。

おすすめの記事
ballet dancer feet

おすすめの記事

チューリヒ・ダンス・アカデミー経営陣 虐待疑惑で停職

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの名門バレエスクール、チューリヒ・ダンス・アカデミーの教師によるハラスメントを告発する声が相次いでいる。調査が始まり、22日には校長と芸術監督が停職処分を受けた。元留学生の日本人2人が、学校での虐待が原因で昨年退学を余儀なくされた自身の体験を語った。

もっと読む チューリヒ・ダンス・アカデミー経営陣 虐待疑惑で停職

だが独紙ディー・ツァイトが9月、男性が復帰後も女性ダンサーらにセクハラ行為をしていたと報道。ベルン市立劇場は今月初め、男性を無期限の免職処分とした。

バレエ団は昨年のセクハラ問題についても、今回の免職処分についても公表していなかったが、報道で一連の問題が発覚した。

おすすめの記事

ベルン・バレエ団と市立劇場の幹部は会見で、コミュニケーションの透明性を高めるべきだったと認めた。バレエ、オペラなどの部門があるビューネン・ベルン財団は数百万フランの公的資金が投入されているが、資金提供者や市当局もセクハラ事件のことは知らされていなかった。幹部らはこの点についても情報を共有すべきだったと述べた。

ベルン・バレエ団のディレクター、イザベル・ビショフ氏は会見で「虐待行為に対する闘いは今すぐ始めなければならない」と強調。「私にとっては、何かが変わらなければならないということははっきりしている」と述べた。

おすすめの記事
フランス語圏のスイス公共放送ラジオ・テレビ局RTS

おすすめの記事

スイス公共放送のセクハラ問題 調査結果を公表

このコンテンツが公開されたのは、 フランス語圏のスイス公共放送ラジオ・テレビ局RTSで浮上したセクシュアルハラスメント疑惑をめぐる問題で、スイス公共放送は16日、従業員のセクハラ被害を確認したと発表した。加害者2人は懲戒処分を受けた。

もっと読む スイス公共放送のセクハラ問題 調査結果を公表

英語からの翻訳:宇田薫

おすすめの記事
トウシューズ

おすすめの記事

大きく様変わりしたローザンヌ国際バレエコンクール

このコンテンツが公開されたのは、 ローザンヌ国際バレエコンクールは今年で50回目を迎える。現在では世界に名をはせる国際色豊かな若手ダンサーのコンクールの実態は、創設時当初とはかなり異なり、めまぐるしい変化があった。第1回目のコンクールから取材をしている地元ジャーナリストに、今昔の違いやその背景を聞いた。

もっと読む 大きく様変わりしたローザンヌ国際バレエコンクール


人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

笑顔で握手を交わす閣僚

おすすめの記事

2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦議会は11日、カリン・ケラー・ズッター副大統領兼財務相(急進民主党、60歳)を新大統領に選出した。新副大統領にはギー・パルムラン経済・教育・研究相(国民党、65歳)が選ばれた。

もっと読む 2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
健康保険カード

おすすめの記事

医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査

このコンテンツが公開されたのは、 大手金融機関UBSが12日発表した調査「心配事バロメーター」によると、依然として医療費と健康保険料の高騰が最大の懸念事項だったことが分かった。環境と年金も懸念事項にあがっている。

もっと読む 医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査
連邦工科大学の校舎

おすすめの記事

スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)と同ローザンヌ校(EPFL)が、留学生の授業料をスイス人学生の3倍に引き上げ、2025年秋学期から1学期当たり2190フランにすることを決めた。

もっと読む スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から
ベツナウ原発

おすすめの記事

世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの電力会社アクスポは5日、世界で最も古いベツナウ原子力発電所の稼働を2033年に終了すると発表した。33年までの運転継続にかかる追加事業費は3億5000万フラン(約600億円)を予定している。

もっと読む 世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
アルコール検査

おすすめの記事

スイスのドライバー、2割が飲酒運転

このコンテンツが公開されたのは、 欧州など39カ国のドライバーを対象にした調査で、スイスでは2割超が飲酒運転をしたことがあると回答した。

もっと読む スイスのドライバー、2割が飲酒運転
銃口

おすすめの記事

狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部

このコンテンツが公開されたのは、 先月29日午後、スイス西部ヴォー州で64歳の男性が狩猟中に死亡した。イノシシを撃とうとした 猟友会のメンバーに射たれた。

もっと読む 狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
サルコ

おすすめの記事

自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束

このコンテンツが公開されたのは、 今年9月にスイスで初めて使われた自殺カプセル「サルコ」について、連邦内閣は、当分の間、立法措置は必要ないとの見解を示した。サルコ運営団体は2日、身柄を拘束されていたフロリアン・ヴィレ代表が釈放されたと発表した。

もっと読む 自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
金塊

おすすめの記事

スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの金融誌ビランツがまとめた長者番付2024年版によると、スイス在住の富豪トップに輝いたのは、仏高級ブランド・シャネルのオーナー家族の1人、ジェラール・ヴェルテメール氏だった。上位の顔ぶれはほぼ前年と同じだが、香料メーカーのフィルメニッヒ(Firmenich)創業家が初のトップ10入りを果たした。

もっと読む スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー
ポイ捨てされた空き缶と小鳥

おすすめの記事

スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査

このコンテンツが公開されたのは、 スイス・ポイ捨て防止コンピテンスセンター(IGSU)の年次アンケート調査によると、「スイスでは多くのゴミが適切に処理されていない」と考える人は16%にとどまった。

もっと読む スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部