第70回ロカルノ国際映画祭がスイスで開幕
スイス・ティチーノ州のロカルノで2日、ロカルノ国際映画祭外部リンクが開幕した。今年で70回目を迎える同映画祭のテーマは「連続性と革新」。アーティスティック・ディレクターを務めるのはカルロ・シャトリアン氏だ。メインの国際コンペティション部門に出品される18作品には、スイス人監督の作品「Goliath」がエントリー。最終日の12日に映画祭の最後を飾るのもまた、スイス人監督によるドキュメンタリー映画だ。
今年の映画祭は、70周年を迎えただけではなく、3スクリーンを有する新映画館が開館された点においても特別な年だ。さらに、改修工事を終えたロカルノの歴史的な映画館GranRexもお披露目された。
文化交流の役割も担う同映画祭では今年から、映画以外の分野で活躍するゲストを招待。スイスの元法務長官カルラ・デル・ポンテ氏、カナダのエレクトロ・ポップ・アーティストPeaches、英国の宇宙物理学者ベン・ムーア氏などが参加する。
2017年のプログラム
同映画祭の幕を切ったのは、フランスのNoémie Lvovsky監督作「Demain et tous les autres jours」。ロカルノ中央広場、ピアッツァ・グランデの野外大型スクリーンで上映された。
ピッツァ・グランデ部門では、他にも米国の2大ヒット作、David Leitch監督作「Atomic blonde」 やMichael Showalter監督によるコメディー映画「The Big Sick」が上映予定だ。
さらに、同部門ではスイスの作品も上映される。ジュネーブ出身のAnup Singh監督作 「The Song of Scorpions」は恋愛と復讐を描く。また、同映画祭の最後を飾るのは、チューリヒ出身の Kevin Merz監督作「Gotthard – One Life, One Soul」。スイスの有名ロックバンドGotthardについてのドキュメンタリー映画だ。
国際コンペティション部門の18作品には、スイス人監督Dominik Locher作「Goliath」がノミネートされた。
その他の部門でも、数々のスイス作品が名を連ねる。アウト・オブ・コンペティション部門でに出品されたSabine Gisiger監督のドキュメンタリー映画は、2015年に難民受け入れを拒否したアールガウ州の裕福な村を扱う。他にも批評家週間部門に、Milo Rau監督の「Das Kongo Tribunal」、Samuel Chalard監督の「Favela Olimpica」が選出された。
さらに、同映画祭ではフランス出身のJacques Tourneu監督(1904~1977年)など、映画史に大きく影響を与えてきた人物が表彰される。ピアッツァ・グランデでは、ドイツの女優Nastassja Kinksi、米国の俳優Adrien Brody、同じく米国出身の監督Jean-Marie StraubとMathieu Kassovitzに賞が贈られる。
ピアッツァ・グランデ部門 上映作品
· Noémie Lvovsky監督「DEMAIN ET TOUS LES AUTRES JOURS」 、フランス
· Nadir Mokneche監督「LOLA PATER」 、フランス
· Jan Zabeil 監督「DREI ZINNEN 」、ドイツ/イタリア
· Hélene Cattet & Bruno Forzani「LAISSEZ BRONZER LES CADAVRES」 、ベルギー/フランス
· Samuel Jouy監督「SPARRING」 、フランス
· Ben Safdie & Joshua Safdie「GOOD TIME」、米国
· Francesca Comencini監督「AMORI CHE NON SANNO STARE AL MONDO」 、イタリア
· Tommy Wirkola監督「WHAT HAPPENED TO MONDAY? 」、英国
· Samuel Benchetrit 「CHIEN」 、フランス
· Felix Randau 監督「ICEMAN」ドイツ/イタリア/オーストリア
· Anup Singh監督「THE SONG OF SCORPIONS」 、スイス/フランス
· Michael Showalter監督「THE BIG SICK」、米国
· Jacques Tourneur監督「I WALKED WITH A ZOMBIE」 、米国(1943年)
· David Leitch 監督「ATOMIC BLONDE」 、米国
· Jean-Marie Straub監督「SICILIA! 」、フランス(1999年)
· Kevin Merz監督「GOTTHARD – ONE LIFE, ONE SOUL」、スイス
(英語からの翻訳・説田英香)
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