「ロックの女王」ティナ・ターナーさん死去 、83歳
「愛の魔力」などのヒットで知られる米国出身の歌手、ティナ・ターナーさんがスイス・チューリヒ近郊キュスナハトの自宅で死去した。83歳だった。
代理人が24日、長い闘病生活の末に亡くなったと公表した。
ターナーさんの本名はアンナ・メイ・ブロック。1939年、米テネシー州ナットブッシュの質素な農家に生まれ、ロックンロールのれい明期の50年代にデビューした。60年代は、当時の夫アイク・ターナーさんとデュオを結成し数々のヒット曲を記録したが、家庭内暴力に苦しみ離婚。そうした逆境を乗り越え、デュオとしてもソロとしても「ロックの殿堂」入りを果たし、史上最も成功したアーティストの一人に上り詰めた。
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ルーツとなった米テネシー州
ターナーさんは、8回受賞したグラミー賞のうち、6回を1980年代に受賞している。80年代の10年間だけで「Typical Male」、「The Best」、「プライヴェート・ダンサー」、「Better Be Good to Me」など12作がトップ40にランクイン。「ロックンロールの女王」と称された。
84年の大ヒット作「What’s Love Got to Do with It(愛の魔力)」では、金髪にジーンズジャケット、ミニスカート、ピンヒールというファッションでニューヨークを練り歩くミュージックビデオを制作。80年代スタイルを象徴する作品となった。
88年にブラジルのリオデジャネイロで行われた公演は18万人の観客を動員し、ミュージシャンとして最大規模の観客動員数を誇った。
スイス国籍を取得
85年にドイツの音楽プロデューサー、エルヴィン・バッハさんと出会い、ロンドンに移住。90年代にリリースした2枚のアルバムは特に欧州で好評を博した。ほかにも95年公開のスパイアクション映画「007/ゴールデンアイ」の主題歌を担当し、2008~09年にはワールドツアーを開催するなどして成功を収めた。
その後、芸能界を引退し、バッハさんと結婚。2013年にはスイス国籍を取得した。
引退後、ターナーさんは数々の健康問題を抱えた。2018年には長男のクレイグさんを自殺で亡くした。また、次男のロニーさんは2022年12月に亡くなった。
英語からの翻訳:大野瑠衣子
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