中央スイスに位置する修道院の町、シュヴィーツ州アインジーデルンのクリスマスマーケットは、この国で最も美しいものの1つ。毎年7万人が訪れる。今年は、ある「一時的な措置」のおかげで開催にこぎつけた。
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厚く白い霧が、小さな町の路地に立ち込める。修道院のシルエットや、メインストリートに沿って並ぶ、かわいらしく飾り立てた約150の屋台はほとんど見えない。無数のオルゴールがクリスマスの音楽を奏で、お菓子とホットワインの匂いが鼻をくすぐる。中心にあるクロスタープラッツ(修道院前広場)では、巨大なクリスマスツリーとイルミネーションが訪れた人を出迎える。ロマンチックな雰囲気を妨げるのは、エアハンマーの音だけだ。
この広場では舗道をめぐって論争が起こっていたが、州が介入して工事を中断した。今年のマーケットが開催されたのは、暫定的な「上張り」のおかげ。修道院とアインジーデルン地区は州の文化財に指定されており、広場を砂利で敷き詰めたのだ。
スイスで最も重要な巡礼地
アインジーデルン修道院前の風景は息をのむほど美しい。1000年の歴史を持ち、スイス国内では最も重要な巡礼地だ。アインジーデルン修道院は、欧州全土の巡礼ルートの1つで、年間数十万人が歩く「聖ヤコブの道」の主要ポイントでもある。
(独語からの翻訳・宇田薫)
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