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ローザンヌバレエ決勝、中村さん6位入賞 スイスからも15年振りに入賞者

クラシックを踊る中村淳之介さん 撮影 / 小川峻毅

ローザンヌ国際バレエコンクール2016の決勝で6日、アクリ・堀本バレエアカデミーの中村淳之介さん(16)が6位に入賞した。またスイスのラウラ・フェルナンデスさんも5位に入賞。スイスが入賞者を出すのは、2001年以来だ。1位入賞は中国の于航(ユー・ハン)さんだった。

 受賞直後、中村さんは「信じられません。支えてくれた先生や家族にお礼を言いたい気持ちでいっぱいです」と、まだ驚きを隠せない様子で話した。

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 「将来、どこの学校に行きたいかまだ決めていません。でも、誰が見てもすごいと思われるような、手の使い方などに表現力があり、オーラが出ているようなダンサーになりたいです」と続けた。

 アクリ・堀本バレエアカデミーの堀本美和先生も、「入賞すると思っていなかったので、今はとにかくうれしいです !」と話した。同アカデミーは、13年連続でローザンヌバレエに生徒を送り出している。入賞者も多く出しており、今日クラシックで中村さんが着ていた服は、2011年の入賞者、加藤静流 (しずる)さんが着たものだという。

 また、審査員の1人でモナコ王立グレース・バレエ学校長のルカ・マサラさんは、中村さんを「まだ少し若いけれど、たくさんの可能性を秘めている。身体的にもこのまま成長すればよいダンサーになれる。ローザンヌの期間中、とてもまじめな取り組みぶりで、毎日伸びていった」と高く評価した。

 中村さん自身も、「コンテンポラリーでも、昨日より今日のほうが良く踊れた。昨日の舞台で慣れたお陰。こうして毎日たくさんのことを吸収しました」と語った。

ゴヨ・モンテロさんのコンテンポラリー

 コンテンポラリーに関しては、今日も振付家のゴヨ・モンテロさんは入賞者の発表直前に、自分の作品を踊った決勝進出者の岡野祐女(ゆめ)さんと金世友(きむせう)さんを、「すごい表現力だ。才能がある」と高く評価した。

 また、3位入賞でコンテンポラリー賞も獲得したイタリアのヴィンチェンツォ・ディ・プリモさんのコンテンポラリーも高く評価。2位で入賞したアメリカのマディソン・ヤングさんを特別な個性を持っているダンサーだと語った。

快挙のラウラ・フェルナンデスさん

昨年もローザンヌに参加したフェルナンデスさん。決勝進出者20人の中に選ばれなかった瞬間、大粒の涙を流したのが印象的だった。その彼女が今年は入賞を果たした 撮影 / 小川峻毅

 一方、スイスのラウラ・フェルナンデスさんが、見事に5位入賞を果たした。コンクールの主催国であるスイスが入賞者を出すのは、2001年以来だ。

 クラシックも優雅に踊り、コンテンポラリーでも内に秘める暴力性をじわりと迫真の演技で表現したフェルナンデスさんは、コンテンポラリー賞、ベストスイス賞、そして5位入賞と三つの賞を手にした。「突然、一度にこんな風に三つの賞を手に持ってローザンヌからチューリヒに戻るとは思いもしなかった」と微笑んだ。 

 クラシックも大好きだが、表現をするのはコンテンポラリーのほうが得意。とにかく、どこかのカンパニーで働きたいと話した。

甲乙つけがたい

 なお、今年のコンクールを総括して、審査委員長のウルグアイ国立バレエの芸術監督を務めるフリオ・ボッカさんは、「世界から、こんなにもレベルが高いダンサーが集まり感動した。そのため甲乙つけがたかった」と話した。

 また、今回初めてローザンヌバレエコンクールの審査を経験したボッカさんは、「ハイレベルの専門家に新しい動きを習い、持ってきたバリエーションをコーチしてもらえるようなコンクールは世界でもここだけだ。そのことのありがたさを、若いダンサーにもっと知って欲しい」とくくった。

7人の入賞者

1位 于航(ユー・ハン、16、中国)、2位 マディソン・ヤング(17、米国)、3位 ヴィンチェンツォ・ディ・プリモ(18、イタリア)、4位 リロイ・モクゲイトル(16、南アフリカ)、5位 ラウラ・フェルナンデス(18、スイス)、6位 中村淳之介(16)、7位 白鼎恺(バイ・ディンカイ、16、中国)

第44回ローザンヌ国際バレエコンクール

同コンクールは、ブランシュバイグ夫妻によって1973年に創設された。15~18歳の若いダンサーを対象にした世界最高の国際バレエコンクールで、若いダンサーの登竜門とも言われる。目的は伸びる才能を見いだし、その成長を助けることにある。

今年は、2016年2月1日から6日まで開催。昨年秋のビデオ審査で、世界19カ国から応募した300人中、およそ70人が選ばれた。しかし、怪我人などが出たため、準決勝に出場したのは67人。

このうち日本人は12人。韓国からの13人と中国からの4人を加えると、アジア勢は参加者の3分の1を越える数になる。

例年同様、二つの年齢グループ(15~16歳と17~18歳)に分かれて4日間の練習を行い5日に、20人の決勝進出者が選ばれた。

6日の決勝では、この20人から7人の入賞者が選ばれた。全員同額の奨学金を得て、希望するダンススクールかカンパニーで1年間研修できる。なお、同コンクールには、世界的に有名な53のダンススクールとカンパニーが協賛している。

今年の審査委員は9人で構成され、審査委員長はABT(アメリカン・バレエ・シアター)のプリンシパルでウルグアイ国立バレエの芸術監督も務めるフリオ・ボッカ氏。

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