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ローザンヌバレエ、準決勝で日本から5人が選出 !

「Grinding the teeth」を踊る金世友さん (撮影 / 小川峻毅)

ローザンヌ国際バレエコンクール2016の準決勝で5日、およそ70人の参加者の中から20人が選出された。そのうち日本からは、木村楓音(かのん)さん(15)、吉江絵璃奈(えりな)さん(15)、中村淳之介さん(16)、岡野祐女(ゆめ)さん(19)、四日市在住で韓国籍の金世友(きむせう)さん(18)の5人が選出され、明日の決勝に臨む。コンテンポラリーに焦点を当て取材した。 

 準決勝が終わった直後、コンテンポラリーの振付家ゴヨ・モンテロさんは、難しい彼のコンテンポラリーの作品を皆が非常にうまくこなしてくれたとコメントしながら、金さんと岡野さんを「2人は自分の作品を非常に上手に踊ってくれた。才能がある」と語った。

 モンテロさんの男子のための作品は「Grinding the teeth(歯ぎしりをする)」。これを表現力豊かに踊った金さんは、「この作品の意味の、目的に達せない男のフラストレーションを表しているというスイスインフォの記事の説明を読んで、今日はそれを表せるように自分の内面性を出して楽しく踊れた」と話してくれた。彼が踊った後、会場から割れるような拍手とブラボーの声が飛んだ。

岡野さんと木村さんの踊った「Bow」 

「Bow」を踊る岡野祐女(ゆめ)さん (撮影 / 小川峻毅)

 岡野さんは、モンテロさんのコーチのときから、表現力・集中力で飛び抜けていた。「この作品が好きなので今日は楽しく踊れた。本当に満足した」と語った。

 コンテンポラリーでは、木村さんも岡野さんと同じくモンテロさんの「Bow」を踊った。「聖なるダンスの舞台に感謝を込めて挨拶し、同時に楽器の弓に自ら変身して音楽の流れに沿うように踊る」というのがこの作品の意図だ。木村さんは、この作品の細部を丁寧に表現し、ゆったりと流れるように踊った。

 一方、中村さんはコンテンポラリーに、リチャード・ウェロックさんの「ディエゴのためのソロ」を選び、細かな動きを丁寧に仕上げた。先生の堀本美加さんは「ローザンヌで驚くほど表現力を学んだ」とコメントした。

 吉江さんもウェロックさんの「春の祭典」を、15歳とは思えないほどの迫力と表現力で踊り、観客席から拍手が沸き起こった。なお、吉江さんと木村さんは2人とも東京の「服部彩子バレエクラス」で学んでいる。

スイスからフェルナンデスさん

「Solo de Rossini Cards」を踊るラウラ・フェルナンデスさん (撮影 / 小川峻毅)

 また、スイスから1人参加した、チューリヒ・ダンス・アカデミーのラウラ・フェルナンデスさんも20人の中に残った。フェルナンデスさんは、昨年もローザンヌバレエに参加したが、惜しくも決勝には進めず、今年ようやく夢を果たした。

 コンテンポラリーでは、ほんのわずかな人しか選ばなかった、マウロ・ビゴンツェティ(Mauro Bigonzetti)さんの、内に攻撃性を秘めるような複雑な作品「Solo de Rossini Cards」を踊った。「自分にぴったり来ると感じたので選んだ」と、フェルナンデスさんはコメントしている。

第44回ローザンヌ国際バレエコンクール

同コンクールは、ブランシュバイグ夫妻によって1973年に創設された。15~18歳の若いダンサーを対象にした世界最高の国際バレエコンクールで、若いダンサーの登竜門とも言われる。目的は伸びる才能を見いだし、その成長を助けることにある。

今年は、2016年2月1日から6日まで開催。昨年秋のビデオ審査で、世界19カ国から応募した300人中、およそ70人が選ばれた。

このうち日本から13人。ここ数年、日本からはいつも最多の、20人前後のダンサーが出場していたため、今年の13人はめずらしく少ない数。

例年同様、二つの年齢グループ(15~16歳と17~18歳)に分かれて4日間の練習を行い5日に、20人の決勝進出者が選ばれた。

明日6日の決勝では、この20人から7人の入賞者が選ばれる。全員同額の奨学金を得て、希望するダンススクールかカンパニーで1年間研修できる。なお、同コンクールには、世界的に有名な53のダンススクールとカンパニーが協賛している。

今年の審査委員は9人で構成され、審査委員長はABTのプリンシパルでウルグアイ国立バレエの芸術監督も務めるフリオ・ボッカ氏。

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