スイス人登山家のダニー・アーノルド氏(34)がアルプス3大北壁の一つ、グランドジョラス北壁を2時間4分の最速記録で制覇した。
このコンテンツが公開されたのは、
中央スイス・ウーリ州出身のアーノルド氏は先月27日、代表的な登攀ルート「カシン・ルート(高低差約1200メートル)」に挑み、モンブラン山塊のウォーカー峰(4208メートル)まで2時間4分で登り切った。
これにより、アルプス3大北壁のうちグランドジョラス北壁とマッターホルン北壁の二つの最速記録を保持したことになる。
アーノルド氏が所属するスイスのクライミング用品ブランドのマムートが13日、アーノルド氏の記録更新の様子を撮影した動画を発表。アーノルド氏は「信じられないくらい嬉しい。新記録達成をとても誇りに思う」と喜びを語った。
昨年と一昨年は悪天候により挑戦を断念。今夏は三度目の挑戦で成功した。
アーノルド氏は「忍耐が得意ではない私にとっては、長い間この時を待つことは苦闘だったが、そのかいがあった。でも(記録達成のためには)すべての選択が正しくなければならない。例えば2、3メートル登るのに左に行くべきか右に行くべきか、高低差1200メートルの壁を語るときには些細で馬鹿げて聞こえるだろうが、こうしたことが実は違いをもたらす」と振り返った。」
おすすめの記事
世界で最も急勾配のロープウェイがスイスで開業
このコンテンツが公開されたのは、
スイス中部ベルナーオーバーラント地方のシュテッヘルベルクとミューレンの間に、世界一急勾配のケーブルカーが開業した。
もっと読む 世界で最も急勾配のロープウェイがスイスで開業
おすすめの記事
2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦議会は11日、カリン・ケラー・ズッター副大統領兼財務相(急進民主党、60歳)を新大統領に選出した。新副大統領にはギー・パルムラン経済・教育・研究相(国民党、65歳)が選ばれた。
もっと読む 2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
おすすめの記事
医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査
このコンテンツが公開されたのは、
大手金融機関UBSが12日発表した調査「心配事バロメーター」によると、依然として医療費と健康保険料の高騰が最大の懸念事項だったことが分かった。環境と年金も懸念事項にあがっている。
もっと読む 医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査
おすすめの記事
スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)と同ローザンヌ校(EPFL)が、留学生の授業料をスイス人学生の3倍に引き上げ、2025年秋学期から1学期当たり2190フランにすることを決めた。
もっと読む スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から
おすすめの記事
世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの電力会社アクスポは5日、世界で最も古いベツナウ原子力発電所の稼働を2033年に終了すると発表した。33年までの運転継続にかかる追加事業費は3億5000万フラン(約600億円)を予定している。
もっと読む 世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了
おすすめの記事
スイスのドライバー、2割が飲酒運転
このコンテンツが公開されたのは、
欧州など39カ国のドライバーを対象にした調査で、スイスでは2割超が飲酒運転をしたことがあると回答した。
もっと読む スイスのドライバー、2割が飲酒運転
おすすめの記事
狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
このコンテンツが公開されたのは、
先月29日午後、スイス西部ヴォー州で64歳の男性が狩猟中に死亡した。イノシシを撃とうとした 猟友会のメンバーに射たれた。
もっと読む 狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
おすすめの記事
自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
このコンテンツが公開されたのは、
今年9月にスイスで初めて使われた自殺カプセル「サルコ」について、連邦内閣は、当分の間、立法措置は必要ないとの見解を示した。サルコ運営団体は2日、身柄を拘束されていたフロリアン・ヴィレ代表が釈放されたと発表した。
もっと読む 自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
おすすめの記事
スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの金融誌ビランツがまとめた長者番付2024年版によると、スイス在住の富豪トップに輝いたのは、仏高級ブランド・シャネルのオーナー家族の1人、ジェラール・ヴェルテメール氏だった。上位の顔ぶれはほぼ前年と同じだが、香料メーカーのフィルメニッヒ(Firmenich)創業家が初のトップ10入りを果たした。
もっと読む スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー
おすすめの記事
スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・ポイ捨て防止コンピテンスセンター(IGSU)の年次アンケート調査によると、「スイスでは多くのゴミが適切に処理されていない」と考える人は16%にとどまった。
もっと読む スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査
続きを読む
おすすめの記事
自然豊かなスイスでクライミングツアーに出発!
このコンテンツが公開されたのは、
クライミングの世界って?スイスの最高に美しいクライミングスポットはどこにある?スイスに住むプロのクライマーが教えます。
もっと読む 自然豊かなスイスでクライミングツアーに出発!
おすすめの記事
スイスのアイガー北壁、初制覇から80年
このコンテンツが公開されたのは、
4人の登山家が80年前の1938年7月24日、「死の壁」の異名とを取るアイガー北壁を史上初めて制覇した。
もっと読む スイスのアイガー北壁、初制覇から80年
おすすめの記事
アイガー北壁 伝説のスイスルート、再び
このコンテンツが公開されたのは、
難所として知られるアイガー北壁。中でも「メタノイア」ルートは、伝説の米登山家ジェフ・ロウさんが初登を果たしたのち、四半世紀にわたって第2登者が現れないままだった。
2016年が幕を閉じる直前、スイスとドイツの3人の著名プロ登山家が、アルプスの中でも特に険しく困難なことで知られる「ロウの傑作ルート」第2登という悲願をついに果たした。
もっと読む アイガー北壁 伝説のスイスルート、再び
おすすめの記事
畏怖と恐怖心を駆り立てる名峰アイガー
このコンテンツが公開されたのは、
ジャーナリストの一団に加わり、アイガー北壁のふもとを軽くハイキングしてみた。垂直にそびえたつこの北壁は、高さが1800メートルもある。どうすれば登頂できるのか、なかなか想像がつかない。ましてや、数時間内で登頂してしまう…
もっと読む 畏怖と恐怖心を駆り立てる名峰アイガー
おすすめの記事
魅力溢れる「死の壁」、アイガー北壁
このコンテンツが公開されたのは、
アイガー北壁、またの名を「死の壁」。非常に困難で危険な北壁として世界的に知られ、日本でも女性タレント・イモトアヤコさんの挑戦をきっかけに関心が高まっている。
もっと読む 魅力溢れる「死の壁」、アイガー北壁
おすすめの記事
危険な壁と境界線を一気に突破
このコンテンツが公開されたのは、
ほとんどの登山家はアイガー ( Eiger ) の危険な北壁を登るのに2日間を要するが、スイス最速のアルピニスト、ウエリ・シュテックさんは3時間以内だ。
そしてシュテック氏ならばマッターホルン ( Matterhorn ) の北壁も1日中かからないだろう。実際、ほとんどの人が10時間も神経をすり減らしながら登るところを、彼は1時間56分でやり遂げた。
最強の能力は集中力
フランスのシャモニー ( Chamonix ) の近くにそびえる巨峰グランド・ジョラス( Grand Jorasses ) の北壁をシュテック氏は2時間21分という猛烈な速さで登り終えた。
もっと読む 危険な壁と境界線を一気に突破
おすすめの記事
スイス人登山家が挑む 二つの8千メートル峰を無酸素連続登頂
このコンテンツが公開されたのは、
スイス人登山家のウエリ・シュテックさん(40歳)が、二つの8千メートル峰を無酸素で連続登頂するという新たな記録に挑戦するためトレーニングを積んでいる。エベレストの頂を踏んだ後、サウスコルと呼ばれる鞍部を下り、そこからさらにローツェの山を登るという。(SRF/swissinfo.ch)
シュテックさんは近年、スイスのアイガー北壁の最速登頂記録を複数回達成。2013年にはヒマラヤのアンナプルナに単独初登頂し、登山界で最高の名誉とされるピオレドール賞の2度目の受賞に輝いた。
12年にはエベレスト西稜を登山中、シュテックさんのチームとシェルパが乱闘する事件があった。
(英語からの翻訳・宇田薫)
もっと読む スイス人登山家が挑む 二つの8千メートル峰を無酸素連続登頂
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。