ミネラルウォーター「エビアン」から、スイスで使用が禁止されている農業用殺菌剤クロロタロニルの残留農薬が検出された。日曜紙ゾンタークスツァイトゥング外部リンクが報じた。
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦給水・排水浄化・水域保護研究所(Eawag外部リンク)で、エビアン水1リットル当たり6ナノグラムのクロロタロニルが検出された。
検出された残留農薬の濃度は法律で定められた基準値をはるかに下回るため、健康に害はない。しかし、今回の検出は重大事項として受け止められている。
アルプス山脈の中心部から直接湧き出るエビアン水は、科学者が測定器の校正に使うほど純度が高い。
ボーデンゼー・ラインの水道事業協同連盟AWBR外部リンクのロマン・ヴィジェット会長は、独語圏スイス誌の取材に対し「人間の影響をほとんど受けないフランスアルプスのエビアンの源泉にでさえ、残留農薬が含まれているという事実は憂慮すべきだ。これらの物質はあまりにも不注意に扱われている」と語った。
エビアンは、仏多国籍企業ダノンが保有するミネラルウォーターブランド。水は、レマン湖南岸の仏エビアン・レ・バン近くにある複数の水源から採水されている。
エヴィアンから検出されたクロロタロニルの濃度は、「チューリヒ湖の水と同じ位だ」と、Eawag研究チームの一人、ユリアーネ・ホレンダー氏は述べている。
農薬クロロタロニルは、スイス連邦経済省農業局(BLW/OFAG外部リンク)が1970年代に使用許可を出した。しかしスイス政府は昨年、新たな研究結果に基づき、クロロタロニルを「発がん性の恐れがある」農薬に再指定。2020年初頭から使用を禁止している。
おすすめの記事
スイスの核廃棄物処分場計画、反対派が国民投票計画
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ州の放射性廃棄物処分場建設計画が、正式な認可が下りる前から反対運動に直面している。
もっと読む スイスの核廃棄物処分場計画、反対派が国民投票計画
おすすめの記事
ジョン・レノンの盗まれた腕時計、所有権はオノさん スイス最高裁が認定
このコンテンツが公開されたのは、
ビートルズのジョン・レノンさんが殺害される2カ月前にオノ・ヨーコさんから贈られ、その後盗まれた腕時計について、スイスの連邦最高裁判所はオノさんに時計の完全な所有権があるとの判決を出した。
もっと読む ジョン・レノンの盗まれた腕時計、所有権はオノさん スイス最高裁が認定
おすすめの記事
スイス証取、英プロバイダーを買収 MTF参入へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス証券取引所を運営するSIXグループは11日、英国の証券取引サービスプロバイダー、アクイス・エクスチェンジを買収すると発表した。今後、多角的取引システム(MTF)に参入する方針だ。
もっと読む スイス証取、英プロバイダーを買収 MTF参入へ
おすすめの記事
2022年の可処分所得は約95万円 スイス統計局
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局は12日、2022年の1世帯平均の可処分所得はひと月6902フラン(当時レートで約95万円)だったと発表した。前年からほぼ横ばいだった。
もっと読む 2022年の可処分所得は約95万円 スイス統計局
おすすめの記事
CERNとロシアの研究協力協定、11月末に期限迎える
このコンテンツが公開されたのは、
今月30日、ロシアの研究機関とジュネーブに拠点を置く欧州原子核研究機構(CERN)との協力協定が終了する。研究者はCERNのプロジェクトに影響を及ぼすと警告している。
もっと読む CERNとロシアの研究協力協定、11月末に期限迎える
おすすめの記事
女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・バーゼル大と英ダラム大が1989年から2002年の間にスウェーデンで初等教育を修了した75万人以上の生徒のデータを用いて行った調査で、女子生徒の方が多いクラスを出た女性はより多くの収入を得る傾向があることが分かった。
もっと読む 女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査
おすすめの記事
11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
このコンテンツが公開されたのは、
スイスアルプスで、季節外れの暖かさが続いている。スイスで最も標高の高い地点にあるユングフラウヨッホでは観測史上最高を記録した。
もっと読む 11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
おすすめの記事
スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで肉食をやめる人が増えている。植物性食品を推進するスイスベジ協会(Swissveg)は30日、スイスのベジタリアンやビーガンの数は過去5年間で約40%増加したと発表した。
もっと読む スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
おすすめの記事
スイスを縦断するツルが過去最多
このコンテンツが公開されたのは、
スイス鳥類研究所によると、スイスでは今季、はやくも過去最多のツルが観察されている。なかには約800羽の大規模な群れもみられた。
もっと読む スイスを縦断するツルが過去最多
おすすめの記事
「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ティチーノ州ルガーノの州刑事裁判所は23日、利己的な動機で他人の自殺を手助けしたとして、自殺教唆・ほう助の罪に問われた同州の元看護師の女(67)に条件付き罰金刑を言い渡した。
もっと読む 「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
続きを読む
おすすめの記事
ミツバチのコロニーを守ることは養蜂の伝統を壊すこと?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのミツバチは様々な脅威によって生存の危機にさらされている。専門家は、ハチミツの生産よりもミツバチの生態を重視した新たな養蜂方法を提案しているが、伝統的な養蜂家の賛同を得るのは簡単ではないようだ。
もっと読む ミツバチのコロニーを守ることは養蜂の伝統を壊すこと?
おすすめの記事
コーヒーの作り手と飲み手をつなぐ
このコンテンツが公開されたのは、
寒い冬の日、窓の外の落葉を眺めながら、熱いコーヒーをすする。スイス人がそんな優雅なひと時を過ごしている瞬間、エチオピア南西部のアガロの森では農家がコーヒーの実の収穫に汗を流している。スイス北部・バーゼルのトゥイル夫妻は、そんな両者の距離を近づけようと、コーヒー豆取引業者「ダイレクト・コーヒー」を創業した。
もっと読む コーヒーの作り手と飲み手をつなぐ
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。