建設が遅れていたコンサートホール「エルプフィルハーモニー・ハンブルク(Elbphilharmonie Hamburg)」がついに完成した。設計は世界的に有名なスイスの建築ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンが手掛けた。
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同コンサートホールの完成を祝して11日、エルプフィルハーモニー管弦楽団によるオープニングコンサートが開かれた。来賓にはメルケル独首相をはじめとする政治家らが顔をそろえた。また、ファサードには「FERTIG(完成)」の文字が大きくライトアップされた。
エルベ川に面した歴史的な赤レンガ倉庫の上にガラスの建築構造を付け加えた建物が、このコンサートホール。設計されたのは2003年だが、建設上の問題から経費は当初予定の10倍となる約8億ユーロ(約975億円)まで跳ね上がり、完成までに10年かかった。
また、三つの音楽ホール、ホテル、アパートから成り、エルベ川の水面から37メートルの位置には公共広場が設置されている。座席数2100の大ホールの音響は音響設計家の豊田泰久氏が手掛けた。
スイスのバーゼルに建築事務所を構えるヘルツォーク&ド・ムーロンが手掛けた設計で有名な一つに、ロンドンの旧バンクサイド発電所を改築した現代美術館テート・モダンがある。
(映像・SRF/swissinfo.ch 英語からの翻訳・説田英香)
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BDA賞の審査員はズントーについてこう語る。「ズントー作品は建築を人類の『原初の創作物』に立ち戻らせる」。そして、「建築と雨露をしのぐことの元来の意味」を誰よりもよく知っている人は、ズントー以外にはいないと言う。彼ははまた2009年に、建築界で名誉あるプリツカー賞も受賞している。ズントーの品質へのこだわりと細部まで行き届いた神経が、「作品に時代を超越した正当性を与える」のだという。
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山上に石の花冠 マリオ・ボッタ氏の設計
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世界的に有名なスイスの建築家マリオ・ボッタ氏が設計した作品「Fiore di pietra(石の花)」がティチーノ州モンテ・ジェネローゾの山上に完成した。(SRF/swissinfo.ch)
今回の設計は、マリオ・ボッタ氏にとってある種の「帰郷」を意味した。ボッタはまさにこの建物が建てられた場所から見える山々 を眺めながら育ったからだ。
「石の花」のプロジェクト費用は2千万フラン(約22億円)。また、同プロジェクトの完成に必要な建築材料を山上に運ぶため、特別なケーブルカーを設置しなければならなかった。
ボッタ氏は日本でもよく知られた建築家。東京都渋谷区にもワタリウム美術館を建てている。
(英語からの翻訳・大野瑠衣子)
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ヘルツォーク&ド・ムーロン設計 テート・モダン新館オープン
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スイス人の建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンが設計した、ロンドンの現代美術館テート・モダンの新館が今月、オープンした。普段あまりメディアに登場しないヘルツォーク氏とド・ムーロン氏がスイス公共放送のインタビューに応じ、自らの仕事について語った。(SRF/RTS, swissinfo.ch)
テート・モダンは2000年、ヘルツォーク&ド・ムーロン建築事務所がロンドンの旧バンクサイド発電所を改築して誕生した。15年には約4700万人の来館者数を記録し、世界の現代芸術美術館の中でも大変人気の高い美術館となっている。
本館同様、新館もヘルツォーク&ド・ムーロンが設計を担当。16年6月には、新館のオープン記念式典が行われた。
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