スイス北部ランゲンタール(ベルン州)で2~4日に開かれたアートイベント「デザイナーズサタデー2018」で、日本の寺田尚樹氏(テラダデザイン一級建築士事務所)と鈴野浩一氏(トラフ建設設計事務所)の共同制作がグランプリを受賞した。
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2016年からスイス在住。17年にswissinfo.ch入社。日本経済新聞社で8年間記者を務めた。関心テーマは経済、財政、金融政策、金融市場。
グランプリを受賞したのは浮遊する紙製の器と小さな人のジオラマを用いたインスタレーション作品。審査委員長のエリザエベス・ボシュ外部リンク氏は、オブジェクトが「見る人を笑顔にし、他者との出会いと会話を生む」と称えた。日本のデザイン業界にある「正確さや明るさ、伝統、そして日常生活に隠れた美しさ」を映し出しているとも評した。
寺田・鈴野両氏はグランプリ受賞について「日本人の細やかさや計画性、美意識、そしてウィットを評価していただいた」とスイスインフォにコメント。また「紙のプロダクト以外にも我々の家具、インテリア、建築プロジェクトを通じて日本のコンテンポラリーなデザインシーンを示すことができた」と語った。
ランゲンタールは120年以上続く布地店など、隠れた名デザイン企業が複数ある。デザイナーズサタデーはスイスのデザイン業界を活性化する目的で、同市内の布地・家具店など5社が主宰するD’Sデザインセンター外部リンクが1987年から2年に1回開催。市内6カ所を会場に国内外のデザイナーが作品を展示する。「地元企業が『デザイン』をキーワードにイベントを主導し、地域に貢献している。デザインがビジネスにおいて非常に重要な要素だという意識の高さの表れだと感じた」(寺田・鈴野両氏)
第17回の今年は招待国に日本が選ばれ、寺田氏らのほか多摩美術大学やカリモク、インターオフィス、内田デザイン研究所、「燕三条 工場の祭典」など多くの日本のデザイン関係者が多く参加した。
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