秋になると、スイスのブナの木は燃えるような紅葉に彩られる。しかし、これらの木々は気候変動による温暖化に苦しんでいる。
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他人の立場や見方への理解を深めるため、米ボストンでジャーナリズムを学ぶ。執筆活動以外は、ポッドキャストや動画のナレーションおよび制作に携わる。
Susan Misicka and Ester Unterfinger
人間の介入がなければ、ヨーロッパブナは中央ヨーロッパで最も目にする木になっていたはずだ。
600年代にはすでに、この汎用性に富んだ木の薄板を使って書物が作られていた。ドイツ語で本を意味する「Buch」という単語が、ブナを表す「Buche」から派生したほどだ。
ヨーロッパブナはトウヒとヨーロッパモミに並んで、スイスの林業にとって最も重要な木の一つだ。しかし、多くの種と同様、危険にさらされている。気候の温暖化と乾燥化が進むにつれ、適応を迫られているのだ。連邦森林降雪国土研究所(WSL)の科学者たちは、異なる標高で苗木を育てる実験を行っている。
ヨーロッパブナは40メートルの高さに達することもあり、葉は5〜15センチメートルの長さになる。とげだらけの殻に包まれた実は食用に適する。
(英語からの翻訳・西田英恵)
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単なる邪魔者扱い?オオカミとの共存は無理なのか
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オオカミが姿を現すたびに、スイス人はとても感情的になる。絶滅したと思われていたこの捕食動物がスイスに戻って来て以来、人々は危機感、恐れ、怒り、そして魅惑といったさまざまな感情に直面している。
19世紀の終わり頃、反オオカミ運動の一環でスイス最後の野生オオカミが狩猟された。しかしオオカミは欧州の他の地域で生き延びていた。そして1995年、1頭のハイイロオオカミがイタリアからスイスに北上してきたことが確認された。現在では30頭以上のオオカミがスイスのアルプスに生息している。
オオカミが再来してからというもの、スイスでは保護をめぐって支持派と反対派の対立が続いている。ほんの数十頭のオオカミになぜここまで騒ぎ立てるのだろうか?ちなみに他の欧州諸国では、スイスと同じ規模の国でもオオカミが何百頭も生息している。ロシアやカナダに至っては何万頭という単位のオオカミが存在している。
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オオカミは駆除されるべき存在?
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スイスでは毎年4千~6千匹のヒツジが病気、転落、落雷などが原因で死亡している。それに比べ、オオカミに襲われて死亡するヒツジの数は少ない。しかし、スイス南西部のヴァレー州では多くの住民が捕食者駆除地域の開設を求めている。(SRF/swissinfo.ch)
スイスで2016年に飼育されたヒツジの数は約34万匹。このうち389匹がオオカミに襲われて死亡した。
スイスには推定30~35匹のオオカミが生息しているが、現在ヴァレー州では、そのオオカミと並んでクマ、オオヤマネコなどの捕食者を駆除しようとする動きがある。しかし、これらの動物はベルンで締結された国際協定で保護動物に指定されている。オオカミの居場所はないのか?地元住民に話を聞いた。
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甘くておいしい、スイスアルプスの青い果実
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スイスの山々では毎年5月から6月にかけて、野生のセイヨウスノキが花を咲かせる。その果実であるビルベリーは甘みがあり、鳥、キツネ、クマたちの大好物だ。
7月から8月に果実が成熟したあと、秋には見事な深紅色の葉をつける。商業目的で栽培されるものとは異なり、自生した果実の果汁は指や唇を青く染めるのが特徴的だ。野生種は鉄分、ポリフェノールの一種であるタンニン、そしてビタミンをより多く含有している。
生育に最も適しているのは酸性の砂質土壌で、樹は30~60センチの高さになる。森林や山の高木のない場所に生息し、ビルベリーはハイカーたちのおやつとして人気だ。ただ、キツネやライチョウなどの野生動物が食料としているため、自然保護区域内での収穫は禁止されている。
ヒグマもまた、ビルベリーを食べる。スイス人で野生動物の研究者、マリオ・テウスさんは2007年と08年、ゴミなどを漁ることから「問題クマ」グループにカテゴライズされていたクマ「JJ3」を調査。後日、日刊紙ブントに対しこう語った。「ある日、私はJJ3がゆったりと果実を摘み取っているのを見た。クマを敵対視する猟師の友人を私の観測ポイントに連れていき、その様子を見せたところ、友人は衝撃を受けていた。この一件で、彼のクマに対する見方が根底から覆えされた。JJ3は凶暴な野獣ではなく、アルプスに暮らす温和なヒグマとして彼の目に映ったのだ」。
それにも関わらず当局は2008年、JJ3の射殺を決定。環境保護活動家たちから批判を受けた。
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濡れ衣を着せられた空の王者
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これを受け、1953年にスイス政府はイヌワシの保護に乗り出した。この複雑な過去を背負った珍しい鳥に人々が注目するよう、スイスの自然保護団体プロ・ナチュラ外部リンクは2001年、イヌワシをアニマル・オブ・ザ・イヤーに選ん…
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「クマと人間が共存できる環境を」 生物多様性保全、スイスで遅れ
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「スイスの生物多様性に関する取り組みは著しく遅れている」。ベルン大学保全生物学研究室主任のアルレッタ教授はそう言い切る。政治家や教育関係者、そして一般市民がもっと自然に親しむ努力をすることこそ活動活発化の決め手だと言う。
取材当日に現れたラファエル・アルレッタ教授の服装は、グリーン系アースカラー2色でコーディネートされていた。教授室の書棚はすっきりと整頓され、鳥の切り抜きがあちこちに貼られている。彼が17歳の時に研究を始めたヤツガシラもその一つだ。教授が1990年代に始めた個体数回復プロジェクトにより、スイスにおけるヤツガシラの生息数は飛躍的に増加した。生物多様性保全活動の大きな成功例だ。
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魅力ある「山の王」
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アルプスの岩壁を器用に伝い歩く姿でおなじみのこの動物、今では多数見かけるが、スイスではいったん姿を消していた。
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