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ジュネーブで米ロ高官協議始まる

カザフスタンに向かうロシア軍
反政府デモの武力鎮圧が進むカザフスタンにロシアが軍隊を派遣したことで、米ロ対立は更に深まった Russian Defense Ministry Press Service

ウクライナ情勢の緊張が高まる中、米ロ高官の協議がスイス・ジュネーブで始まった。両国の主張は平行線をたどる。打開策はあるか。

ジュネーブで行われる米ロ二国間協議は、昨年6月に行われた米国のジョー・バイデン大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の首脳会談以来3回目。米国側はウェンディ・シャーマン国務副長官、ロシアはセルゲイ・リャプコフ外務次官が代表団を率いる。 

ジュネーブ在住のウクライナ人ジャーナリスト、エミリア・ナザレンコ氏はswissinfo.chのインタビューで「1985年のレーガン米大統領とゴルバチョフ・ソ連大統領の首脳会談で冷戦は終結した。今度の米ロ会談も同様に重要なものになることを願いたい」と述べた。

米国はロシアに対し、ウクライナへの対応緩和を求める。対するロシアは「譲歩しない」と強気だ。このため会談に向けた双方の期待感は薄い。米政府の報道官は記者団に対し、今回の会談では確約できるものはなく、「真剣かつ具体的」だが探索的なものだ、と述べるにとどまった。

ジュネーブでの会談の後、12日にはブリュッセルで開かれる北大西洋条約機構(NATO)・ロシア理事会、13日にはウクライナも加盟する欧州安全保障協力機構(OSCE)会合(開催地・ウィーン)で協議が続けられる。

ロシア側の威嚇

ロシアは10万人近い軍隊をウクライナとの国境付近に移動させた。ロシア側は、これは侵略の準備ではないが、西側諸国がウクライナ政府への支援から手を引き、NATOの東方拡大を止めることを望むと述べた。

米政府は既にロシア側の要求のいくつかを実現不可能として却下した。バイデン氏は先週、プーチン氏との電話会談で、ロシアがウクライナに侵攻した場合、米欧同盟国は前例のない制裁を科すと繰り返し警告した。プーチン氏はこれに対し、制裁は「関係の完全な崩壊」につながりかねないと反論した。

バーゼルの平和構築研究所Swisspeaceのローラン・ゲッチェル所長は、ジュネーブ会談の結果は不透明だとするものの、バイデン・プーチン首脳会談後に始まった米ロ戦略的安定対話(SSD)の一環として、対面式で会談が行われることは重要だと指摘。同氏は、ロシアがウクライナに侵攻する可能性は無論捨てきれないが、「ある種の懸念が表明され、脅威のメッセージが伝えられているが、実際にはウクライナ侵攻の準備ではなく、政治・外交レベルで西側から一定の譲歩を得ることが第一の目的である」可能性が高いと述べた。

スイスの役割

6月の米ロ首脳会談ではスイスの連邦大統領がホスト役を務め、レマン湖畔の邸宅、つまりスイスの敷地で行われた。一方、10日の会談の開催場所はジュネーブの米国大使館だ。だがナザレンコ氏は「スイスが中立国であること、首脳会談を組織し実施した長い経験を持つこと、同国の多国間外交、国連欧州本部がジュネーブにあること」などが、開催地選定において重要な要素だと指摘する。

ゲッチェル氏も「バイデン氏とプーチン氏はジュネーブで会った。同じ場所で行われるということは、もちろんこの会議の継続性を強調するものだ」と言う。

今年7月にはスイス南部ルガーノで「ウクライナの改革に関する国際会議」が控える。ナザレンコ氏は「長く苦しむウクライナのためにも、それまでに戦争の危機が永遠になくなっていることを願う」と述べた。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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