フランス語圏のスイス公共放送(RTS)で社員のセクシュアルハラスメント疑惑が浮上し、スイス公共放送協会(SRG SSR)が独自に調査を始めた。告発された幹部2人は停職処分を受けた。
このコンテンツが公開されたのは、
RTSをめぐるセクハラ疑惑は10月31日、フランス語圏の日刊紙ル・タンが独自ニュースとして報じた外部リンク。これを受けスイス公共放送協会の理事会は4日、責任の所在を明らかにするため調査を開始したと発表した。
RTSの経営陣は幹部2人の停職処分について、スイスメディア労働組合と2日に会合を開いた上での「具体的かつ即時の措置」だと説明。労組側は、セクハラやいじめに対して早急に行動をとるよう要求した。
RTSの経営陣は従業員に宛てた社内通知で、多くの従業員の声が(しかるべき場所に)届いていなかったことは非常に遺憾だと述べた。
スイス公共放送協会はswissinfo.chの親会社。協会は4日付の声明で、こうしたハラスメント行為を「最も強い言葉で」非難し、従業員がそのような被害を受けたことは遺憾だと述べた。
理事会は、ハラスメント事例の報告システムを改善するよう求める命令を出した。独立の調査は、ハラスメント行為を受けた従業員が利用できる既存システムの見直し・改善を目指す。
元有名司会者も
ル・タンは匿名の情報源を元に、RTSで何年もいじめやセクハラがあったと報じた。告発された3人の中には、RTSの元著名テレビ司会者ダリウス・ロシュバン氏も含まれる。ロシュバン氏は告発内容を否定している。
ル・タンは、RTSの経営陣と管理職はこうした行為に一貫して目をつぶっていたと報じている。
スイス公共放送協会のジル・マルシャン会長は同紙のインタビューで「私たちは間違いを犯した」と述べた。マルシャン氏は、2014年に幹部1人がセクハラで告発された時のRTS局長だった。同氏は、調査が包括的ではなかったことを認めた。
おすすめの記事
スイス、「若すぎる」子犬の輸入を禁止
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは来年2月1日から、生後15週未満の子犬の商業輸入を禁止する。安易なネット購入を抑止するのが狙い。
もっと読む スイス、「若すぎる」子犬の輸入を禁止
おすすめの記事
スキー初心者泣かせのT字型リフト 生誕から90年
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのスキー場で親しまれているT字型リフトが23日、東部ダボスの地で誕生から90年を迎えた。発明直後から急速に普及したが、現在ではベンチ型リフトへの転換が進む。
もっと読む スキー初心者泣かせのT字型リフト 生誕から90年
おすすめの記事
スイス、原発新設を解禁へ 政府対案まとまる
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は20日、原子力発電所の新設解禁を求めるイニシアチブ(国民発議)に応え、解禁を盛り込んだ対案をまとめた。
もっと読む スイス、原発新設を解禁へ 政府対案まとまる
おすすめの記事
スイス航空救助隊Rega、クリスマスの出動急増
このコンテンツが公開されたのは、
クリスマスを挟んだ12月24〜26日、スイス航空救助隊Regaの出動件数(国外向け含む)は前年比20%増の150件超に上った。
もっと読む スイス航空救助隊Rega、クリスマスの出動急増
おすすめの記事
スイスとEU、今後の二国間関係について合意
このコンテンツが公開されたのは、
スイスと欧州連合(EU)は20日、貿易や労働、人の移動自由などのルールを盛り込む二国間条約の締結に向けた交渉を完了したと発表した。
もっと読む スイスとEU、今後の二国間関係について合意
おすすめの記事
クレディ・スイス危機への対応「時間がかかりすぎた」 議会調査委が報告書
このコンテンツが公開されたのは、
クレディ・スイスが経営危機に陥った責任を追究するスイス連邦議会の調査委員会は20日発表した報告書で、原因は長年にわたる経営上の不始末にあったと結論付けた。
もっと読む クレディ・スイス危機への対応「時間がかかりすぎた」 議会調査委が報告書
おすすめの記事
世界で最も急勾配のロープウェイがスイスで開業
このコンテンツが公開されたのは、
スイス中部ベルナーオーバーラント地方のシュテッヘルベルクとミューレンの間に、世界一急勾配のケーブルカーが開業した。
もっと読む 世界で最も急勾配のロープウェイがスイスで開業
おすすめの記事
2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦議会は11日、カリン・ケラー・ズッター副大統領兼財務相(急進民主党、60歳)を新大統領に選出した。新副大統領にはギー・パルムラン経済・教育・研究相(国民党、65歳)が選ばれた。
もっと読む 2025年のスイス連邦大統領はカリン・ケラー・ズッター氏
おすすめの記事
医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査
このコンテンツが公開されたのは、
大手金融機関UBSが12日発表した調査「心配事バロメーター」によると、依然として医療費と健康保険料の高騰が最大の懸念事項だったことが分かった。環境と年金も懸念事項にあがっている。
もっと読む 医療費の高騰、依然としてスイス国民の最大の関心事 調査
おすすめの記事
スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)と同ローザンヌ校(EPFL)が、留学生の授業料をスイス人学生の3倍に引き上げ、2025年秋学期から1学期当たり2190フランにすることを決めた。
もっと読む スイス連邦工科大、留学生の授業料3倍引き上げ決定 25年秋学期から
続きを読む
おすすめの記事
女性ストライキの長い歴史 闘いはまだ終わっていない
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで初めて女性ストライキが起こったのは、1991年6月14日。何十万人もの女性がこの運動に参加した。あれから30年近く経った今年6月14日、再び大規模な女性ストライキがスイスで予定されている。
もっと読む 女性ストライキの長い歴史 闘いはまだ終わっていない
おすすめの記事
ILO総会開幕 職場のセクハラ、男女の賃金格差是正が焦点
このコンテンツが公開されたのは、
国際労働機関(ILO、本部ジュネーブ)の年次総会が10日、スイス・ジュネーブで始まった。スイスのアラン・ベルセ連邦内務相は開会演説で、加盟国が男女の賃金格差是正に向け更なる努力を講じるよう呼び掛けた。総会では職場でのセクハラや暴力を禁止する初めての国際条約が制定される見通しだ。
もっと読む ILO総会開幕 職場のセクハラ、男女の賃金格差是正が焦点
おすすめの記事
セクハラ問題、スイス大手企業は依然としてタブー
このコンテンツが公開されたのは、
性被害を告発する「#MeToo(「私も」の意)」運動が世界各地に広がった1年前、上層部が優れた指導力をみせた企業がいくつかあった。多国籍企業のイケア・スイスもその一つで、社内行動規範の周知徹底を図り、セクハラがあった場合はそれをオープンにし、独自の主体的プログラムで対応した。
もっと読む セクハラ問題、スイス大手企業は依然としてタブー
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。