スイスのアラン・ベルセ内務相に恐喝メールを送った女性が罰金を科された。取り調べや証拠品の取り扱いが適切だったかどうか、検察庁監督機関による調査が始まっている。
このコンテンツが公開されたのは、
週刊誌ヴェルトヴォッヘ外部リンクが21日、女性に対し裁判所が今年9月に恐喝未遂罪で有罪判決・罰金命令を出したと報じ、全国的に話題を呼んだ。
女性の身元など事件の詳細に不明な部分は多いが、女性は昨年11月、ベルセ氏が10万フラン(約1140万円)の支払いに応じなければ、私的な手紙や写真を公開すると脅したとされる。
ベルセ氏は支払う代わりに、女性を刑事告発した。
内務省のペーター・ラウエナー報道官はスイスの通信社Keystone-SDAに対し、女性はベルセ氏の8年前の私生活について「中傷的な虚偽の」主張をしたと述べた。ベルセ氏の弁護士によると、女性は後に恐喝内容を取り下げた。
ラウエナー氏は大衆紙ブリックの日曜版で「閣僚として(ベルセ氏は)犯罪の被害者になることがある」と語った。「連邦議会議員としてのベルセ氏は脅されようがない」
ベルセ氏は内務相として健康や文化、年金を担当し、コロナ禍への対処の前線に立つ。
スイス連邦検察庁は、恐喝した女性のコンピューターやスマートフォンから事件に関するデータを全て削除したと述べた。ベルセ氏への特別な取り計らいではなく、一般的な対応だという。ただヴェルトヴォッヘによると、データの削除は女性が8時間勾留されたうえでの同意に基づき、各端末は出荷時の状態にリセットされた。検察庁の監視役の連邦検察庁監督機関外部リンクは、こうした取り調べやデータ削除が適切だったかどうか、調査を始めた。
おすすめの記事
スイスの核廃棄物処分場計画、反対派が国民投票計画
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ州の放射性廃棄物処分場建設計画が、正式な認可が下りる前から反対運動に直面している。
もっと読む スイスの核廃棄物処分場計画、反対派が国民投票計画
おすすめの記事
ジョン・レノンの盗まれた腕時計、所有権はオノさん スイス最高裁が認定
このコンテンツが公開されたのは、
ビートルズのジョン・レノンさんが殺害される2カ月前にオノ・ヨーコさんから贈られ、その後盗まれた腕時計について、スイスの連邦最高裁判所はオノさんに時計の完全な所有権があるとの判決を出した。
もっと読む ジョン・レノンの盗まれた腕時計、所有権はオノさん スイス最高裁が認定
おすすめの記事
スイス証取、英プロバイダーを買収 MTF参入へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス証券取引所を運営するSIXグループは11日、英国の証券取引サービスプロバイダー、アクイス・エクスチェンジを買収すると発表した。今後、多角的取引システム(MTF)に参入する方針だ。
もっと読む スイス証取、英プロバイダーを買収 MTF参入へ
おすすめの記事
2022年の可処分所得は約95万円 スイス統計局
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局は12日、2022年の1世帯平均の可処分所得はひと月6902フラン(当時レートで約95万円)だったと発表した。前年からほぼ横ばいだった。
もっと読む 2022年の可処分所得は約95万円 スイス統計局
おすすめの記事
CERNとロシアの研究協力協定、11月末に期限迎える
このコンテンツが公開されたのは、
今月30日、ロシアの研究機関とジュネーブに拠点を置く欧州原子核研究機構(CERN)との協力協定が終了する。研究者はCERNのプロジェクトに影響を及ぼすと警告している。
もっと読む CERNとロシアの研究協力協定、11月末に期限迎える
おすすめの記事
女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・バーゼル大と英ダラム大が1989年から2002年の間にスウェーデンで初等教育を修了した75万人以上の生徒のデータを用いて行った調査で、女子生徒の方が多いクラスを出た女性はより多くの収入を得る傾向があることが分かった。
もっと読む 女子優位のクラスを出た女性は高収入の傾向 スイス調査
おすすめの記事
11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
このコンテンツが公開されたのは、
スイスアルプスで、季節外れの暖かさが続いている。スイスで最も標高の高い地点にあるユングフラウヨッホでは観測史上最高を記録した。
もっと読む 11月のスイスアルプス、季節外れの暖かさ
おすすめの記事
スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで肉食をやめる人が増えている。植物性食品を推進するスイスベジ協会(Swissveg)は30日、スイスのベジタリアンやビーガンの数は過去5年間で約40%増加したと発表した。
もっと読む スイスでベジタリアン・ビーガン増加 若者・高学歴に多く
おすすめの記事
スイスを縦断するツルが過去最多
このコンテンツが公開されたのは、
スイス鳥類研究所によると、スイスでは今季、はやくも過去最多のツルが観察されている。なかには約800羽の大規模な群れもみられた。
もっと読む スイスを縦断するツルが過去最多
おすすめの記事
「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ティチーノ州ルガーノの州刑事裁判所は23日、利己的な動機で他人の自殺を手助けしたとして、自殺教唆・ほう助の罪に問われた同州の元看護師の女(67)に条件付き罰金刑を言い渡した。
もっと読む 「金銭目的」で自殺ほう助 スイスの裁判所が元看護師に有罪判決
続きを読む
おすすめの記事
スイスのベルセ大統領、日本訪問を満喫
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのアラン・ベルセ連邦大統領は今月12~14日、日本を初めて公式訪問した。首脳会談や閣僚級世界患者安全サミットといった公務の合間に、日本の技術や伝統文化にも触れ、うららかな春の東京を満喫した。
もっと読む スイスのベルセ大統領、日本訪問を満喫
おすすめの記事
ベルセ大統領、安倍首相と首脳会談
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのアラン・ベルセ連邦大統領は12日、東京の官邸で日本の安倍晋三首相と会談した。二国間関係のほか、北朝鮮問題など国際情勢について幅広く協議した。
もっと読む ベルセ大統領、安倍首相と首脳会談
おすすめの記事
スイスのベルセ大統領は実に庶民的な男だった
このコンテンツが公開されたのは、
ニューヨークの街中で、地べたに座るスイスの大統領―。そんな一国のトップらしからぬアラン・ベルセ連邦大統領の画像が、ソーシャルメディア上で話題になった。日本では考えられないが、スイス人にとっては見慣れた光景だ。
もっと読む スイスのベルセ大統領は実に庶民的な男だった
おすすめの記事
最年少スイス連邦大統領誕生 84年ぶり
このコンテンツが公開されたのは、
2018年のスイス連邦大統領に45歳のアラン・ベルセ氏が就任した。連邦大統領としては1934年以来最年少。連邦大統領の職は輪番制で任期は1年間。
もっと読む 最年少スイス連邦大統領誕生 84年ぶり
おすすめの記事
日常的な脅迫、スイス議員の6割が経験
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦議員はリスクの高い職業のようだ。スイスの連邦議員の6割が日常的に脅迫を受けており、8割近くが常に中傷を受けていることがフランス語圏のスイス公共放送(RTS)の調べで分かった。特に女性議員はこうした攻撃の的になるリスクが高い。
もっと読む 日常的な脅迫、スイス議員の6割が経験
おすすめの記事
日本は相撲、ではスイスの国技は?2カ国をオモシロ比較
このコンテンツが公開されたのは、
日本が相撲なら、スイスの国技は?年間のチョコレート消費量はどれだけ違うー?アラン・ベルセ連邦大統領が日本を公式訪問しているのに合わせ、ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)が日本とスイスを比べたイラスト入りのグラフを配信した。様々な観点から両国の特徴を伝えている。
もっと読む 日本は相撲、ではスイスの国技は?2カ国をオモシロ比較
おすすめの記事
手話の流行語大賞「アラン・ベルセ」大統領に 高まる手話への意識
このコンテンツが公開されたのは、
ユーモアに言葉の壁はない。2018年のスイスの手話の流行語大賞に、輪番制の大統領を今年担ったアラン・ベルセ氏が選ばれたのもその一例だ。だがスイスの手話自体にも「壁はない」と言えるのだろうか?
もっと読む 手話の流行語大賞「アラン・ベルセ」大統領に 高まる手話への意識
おすすめの記事
政治家に求められるリーダーの資質とは?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦議会では間もなく、2人の新しい閣僚が選出される。今日の民主主義を主導する政治家に必要とされるスキルは何なのか?スイスインフォの読者や専門家、政治家に意見を聞いた。
もっと読む 政治家に求められるリーダーの資質とは?
おすすめの記事
スイス大統領の目線
このコンテンツが公開されたのは、
アラン・ベルセ氏は年末をもって輪番制の大統領の務めを終える。一年を通して、ベルセ大統領には一人の若いカメラマンが付いていた。彼の任務は、一貫して大統領の視点から撮影するということだった。
もっと読む スイス大統領の目線
おすすめの記事
連邦閣僚の担当省庁はどう決める?
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦閣僚らの新しい役割配分が決まった。初の女性国防相の誕生や、欧州連合(EU)との枠組み交渉を司る経済相に非企業家の閣僚が就くなど、驚きの声もあがる。連邦閣僚の「適材適所」は誰がどう決めるのか?
もっと読む 連邦閣僚の担当省庁はどう決める?
おすすめの記事
コロナ危機はスマホ追跡を正当化するのか
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、スイスはスマートフォンの監視を通じて人が集まっている場所を探知しようとしている。このような対策を取る場合、明白で透明な規則を作らなければ、市民は永続的に国の監視下に置かれることになりかねないと、情報セキュリティおよび新技術の専門家であるアレッサンドロ・トリヴィリーニ氏は警告する。
もっと読む コロナ危機はスマホ追跡を正当化するのか
おすすめの記事
難しい刑罰と更生のバランス
このコンテンツが公開されたのは、
暴力的な青少年に対しては、どのような手を打つことができるのだろうか。罰するのか、社会の一員として生活させるのか。それとも両方を組み合わせるのか。スイスの公の方針は、犯罪少年をまず「保護し、教育する」ことだ。 心理学者…
もっと読む 難しい刑罰と更生のバランス
おすすめの記事
閣僚人事、ベルセ新閣僚は内務大臣に
このコンテンツが公開されたのは、
社会民主党の新閣僚アラン・ベルセ氏は、ブルカルテール氏から内務省を引き継ぐ。そのほかの人事異動はない。 閣僚選挙後の人事異動では、古参から順番に好みの省を選んでいく。新閣僚は残り物に甘んじるしかない。政府報道官のアンド…
もっと読む 閣僚人事、ベルセ新閣僚は内務大臣に
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。