2020年春にスイス全国で敷かれた休校措置は、人の移動を減らし新型コロナウイルスの伝播を抑える効果があった、とスイスの研究は結論付けた。公共の場での集まりの禁止やロックダウン(都市封鎖)も効果が高かった。
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連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は7日、昨春の休校措置で人の移動が約2割減ったとする研究結果を発表外部リンクした。
研究はスイスの携帯電話事業者のデータ15億件を利用し、2020年2月10日~4月26日の人の移動を前年同期と比較。①100人超の集まり禁止(3月13日から全国実施)②5人超の集まり禁止(3月20日)③休校(3月16日)④部分的ロックダウン(商店・レストラン・バーの営業禁止。3月17日)⑤国境閉鎖(3月25日)―の各措置により、全国で移動がどのくらい減ったかを分析した。
その結果、最も移動の削減効果が高かったのは5人を超える集まりの禁止で、24.9%減ったことが分かった。レストラン・バーや生活必需品以外の小売店の営業禁止が22.3%減、休校措置が21.6%減と続いた。
調査を主導したETHZのシュテファン・フォイヤーリーゲル教授(経済情報学)外部リンクは仏AFP通信に対し、「学校が閉鎖されれば、人々の行動は大きく変化することが予想される」と語った。「子供が家にいるだけでなく、場合によってはその親も行動を変えることを意味する」
コロナ対策として休校措置を講じるべきかどうか、世界中で論争が起こっている。スイスは20年春の第1波で3月16日~5月10日の約2カ月間、全国の学校を閉鎖したが、同秋からの第2波では全国的な休校措置を見送っている。
複数の研究では、学校の閉鎖は特に幼児教育に弊害が多く、不平等を拡大させると示されている。また子供が新型コロナウイルス感染症にかかり重症化する可能性は低いものの、ウイルスを拡散する力については不明のままだ。
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