スイス連邦裁判所は18日、戦争犯罪に関する国内初の裁判で、リベリアの反政府組織の元指導者に懲役20年の判決を下した。NGOの弁護士が発表した。
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懲役20年の判決を受けたのは、リベリアの反政府組織の元リーダー、アリュー・コシア被告(46)。民間人の殺害、レイプ、少年兵の採用、カニバリズム行為など25件の罪に問われていた。裁判記録によると、コシア被告は4件を除いて有罪となり、民間人の殺人未遂、民間人殺害の共犯、略奪の命令、少年兵の勧誘については無罪となった。
人権NGO「シビタス・マキシマ」などが刑事告発していた。同NGOでこの事件の法律顧問を務めたロメイン・ワブレ氏はロイター通信に対し、コシア被告は、どの事件かは特定せず、ほぼすべての起訴内容について有罪判決を受けたと語った。
コシア被告は永住権を得て生活していたスイス国内で2014年、逮捕された。スイスは11年、国内法を改正し「普遍的管轄権原則」を適用。同原則に基づき、コシア被告を逮捕した。普遍的管轄権とは、ある国が「国際法上の犯罪(大量虐殺、戦争犯罪、人道に対する犯罪)」の容疑者を逮捕した場合、発生場所や容疑者の国籍にかかわらず訴追できるという原則だ。
公判では、コシア被告指揮下の反政府勢力に警棒で殴打され死亡した被害者の家族など、約15人のリベリア人が証言する予定だった。また別の被害者は、少年兵としてコシア被告のために働くことを強要されたと主張した。
被害者側の弁護士は、リベリア国内での報復を防ぐため、被害者の身元は明かさないよう求めた。
リベリアは1989年から2003年の紛争で数十万人が死亡したが、戦争犯罪の加害者を訴追していない。国際法廷で裁かれた加害者はごく一握りだ。その中には、隣国シエラレオネで戦争犯罪を犯したとして国連が設置した国際法廷から有罪判決を受け、現在は英国で収監されているチャールズ・テイラー元リベリア大統領がいる。
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